サイバーセキュリティに関わる女性のコミュニティ”LCL-TOKYO”参加レポート
2025年01月23日 木曜日
CONTENTS
みなさん、こんにちは。
2025年1月12日、IIJ の本社オフィスにおいて、LCL-TOKYOが開催されました。
LCL TOKYO(Leading Cyber Ladies in TOKYO)とは?
LCL-TOKYOは、Leading Cyber Ladies in TOKYOの略称で、サイバーセキュリティにおける女性のグローバルな専門家コミュニティの一つです。現在イスラエル、トロント、ニューヨーク、ロンドン等と拠点が広がりつつあり、日本のグループとなるのがLCL-TOKYOです。
※ 公式サイトより引用
端的に言うと、日本におけるサイバーセキュリティ領域に何らかの形で携わっている女性のためのコミュニティです。
筆者は初めて参加しましたが、LCL- TOKYO自体は立ち上げからもう3年になるそうです。すごい。
今回はそんなLCL-TOKYOの様子をレポートします。
レポート① IIJ挨拶
イベントは弊社の高岡の挨拶から始まりました。
挨拶の中では、サイバーセキュリティにおける女性コミュニティの意義に触れられていて、
「もっと多くの女性にサイバーセキュリティに携わってほしい、LCLがその助けになると嬉しい」という熱い思いが伝わってきました。
レポート② さくらインターネット株式会社 江草陽太さんによる
「さくらインターネットが考えるクラウドの鍵管理と機密コンピューティング」
機密コンピューティングとは何か、なぜ必要なのか?という内容についてとてもわかりやすく解説いただきました。
またメインは機密コンピューティングの話でしたが、何よりも江草さんの経歴について中学生や学生時代までさかのぼってお話していただき、それが自分とは全く違うものだったのでとても面白かったです。
最初は「好き」「楽しい」という子供の好奇心から始まって、そこからどんどん突き詰めていったことに加え、部として仲間と一緒に切磋琢磨したり、大学で起業したりと、いろいろな経験や努力、人との関わりを積み重ねて今の江草さんの活躍があるのだなと考えさせられました。
レポート③ ファイア・サイド・チャット
筆者は初めて知ったのですが、「ファイア・サイド・チャット」とはカジュアルな座談会のことを指します。
焚火を囲んでゆったり話す、というところから出てきた言葉のようです。
焚火はないですが、全員が円になるだけで不思議と一体感が生まれました。
最初はぽつりぽつりと質問が出て、お互い緊張しながら始まりましたが、次第に大白熱。
「サイバーセキュリティ人材を確保するにはどうしたらいいか?」「学生によりサイバーセキュリティに興味を持ってもらうには?」といった人材確保や教育の話に始まり、「社会人からサイバーセキュリティを学ぶにはどうしたらいいか?」といったスキルアップの話、キャリアの話、「サイバーセキュリティは女性におすすめできるか?」など踏み込んだ内容も。
議論は大盛り上がりで予定時間を超過しましたが、本当にまだまだ話が続けられそうな雰囲気でした。
話している間にお互いのバックグラウンドまで話が及び、女性という共通点はありますが業種や年齢は多種多様な人が集まっているのだ、と何ともいえない奇妙な気持ちになりました。
レポート④ 3名の女性によるLT会
Head of Growth Strategy Julie HarveyさんのLT
サイバーセキュリティ業界において、職種としてどんなロールの仕事があるか?という話をしてくださりました。
ファイア・サイド・チャットでも出ましたが、サイバーセキュリティで求められる人材とは必ずしも技術的なスキルが必要なわけでなく、多様なスキル(戦略検討やコミュニケーション)を持つ人も求められ、それぞれが自分の技能を発揮・協力して活躍していくのだ、という話でした。
余談ですがJulieさんのスピーチはすごく上手くて、思わず聞きほれてしまいました。
「ここにいるあなたたち一人ひとりがリーダーとなって、サイバーセキュリティ業界を牽引していくのだ(筆者意訳)」という言葉が胸に刺さって今でも忘れられません。
GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社 水野沙理衣 さんのLT
Kunoichi Cyber Game のご紹介がありました。
存在自体は知っていたのですが、実際の取り組み内容について初めて聞いたので、面白かったです。
Kunoichi Cyber Gameとは、世界から若手の女性CTFプレーヤーが一堂に会し交流やCTF競技を行うイベントです。
具体的には、事前の各チームのトレーニング期間と3日間のチーム合同でのCTFおよび交流イベントがあったとのこと。
オフラインで机を囲んでCTFに参加したり、世界のCTFプレーヤーやそのコーチと直接話をしたりと、他では得られないような経験をされていてすごく興味を掻き立てられました。
IIJ 山口 真里のLT
最後に、筆者も登壇させていただきました。CTF初心者として1年活動した話をしました。
反響としてもらってうれしかったのは、「LTを聞いてCTFやろうと思いました!」と言ってくれた方が何人もいたことです。LT冥利というやつでしょうか。
感じたこと
LCL-TOKYOのレポート内容としては以上です。
最後に筆者の感じたことを少し書いて終わりたいと思います。
思ったのと違う(良い意味で)
実を言うと参加するまでは「Leading」という接頭辞が付いている「専門家コミュニティ」ということだったので、「私なんかが行ってもいいんだろうか・・・」とどぎまぎしていました。
実際に参加してみると、法律関連の方や教育に携わっている方、コンサルティングをされている方など、多種多様な業種の人が参加されていて、年代についても学生や社会人若手などもいらっしゃって驚きました。
話もゴリゴリの技術寄りというよりは、「サイバーセキュリティにおける女性人材をどう増やしていくか?」というような非技術的な話がメインでした。
またすでに3年活動しているコミュニティということで「ニューカマーには居心地悪いかも・・・」と思っていましたが、杞憂でした。
イベントが終わるころには沢山の人と笑顔で楽しく話をしていました。
女性コミュニティの意義
今回初めて女性コミュニティに参加しました。
私なりに「女性コミュニティはなぜ必要か」考えさせられました。
これはサイバーセキュリティに限った話ではないですが、エンジニアにおいては女性が少なく思います。
これ自体は別に悪いことではないと思うのですが、一女性エンジニアからすると、女性の先輩がいないことで将来のキャリアパスを描きづらかったり悩みを相談する場所がなかったりと、「目の前の仕事をする上での困りごとはないけれど、漠然とした不安、モヤモヤがある状態」を感じます。
そのような悩みの相談先や、キャリアパスのイメージを得る場所として、女性コミュニティがあれば安心を得られたり、より広い活躍の一助となったりするのではないでしょうか。
最後に、LCL-TOKYOの運営の皆様、この度は開催ありがとうございました。
ぜひこの活動を今後も継続していっていただければと思います。