ブロードバンドトラフィックレポート ~2年目に入ったコロナ禍の影響~(IIR vol.52 1章)

2021年10月04日 月曜日


【この記事を書いた人】
IIJ Engineers Blog編集部

開発・運用の現場から、IIJのエンジニアが技術的な情報や取り組みについて執筆する公式ブログを運営しています。

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IIJでは、毎年IIJが運用しているブロードバンド接続サービスのトラフィックを分析して、その結果を技術レポートIIRにて報告しています。今回も、利用者の1日のトラフィック量やポート別使用量などを基に、この1年間のトラフィック傾向の変化を報告します。

本報告のポイント

  • 昨年に引き続き、コロナ禍で自宅でのインターネット利用が増え、ブロードバンドトラフィックは継続して増加傾向です。一方で、モバイルの利用量はコロナ禍で外出が減った分、ほぼ横ばいとなりました。
    • この1年のブロードバンドトラフィック量は、INは20%の増加、OUTは23%の増加。モバイルは、この1年で、INは39%の増加、OUTは1%の減少でした。
    • IPv6では、全体の3分の1に近いトラフィックがIPoEとなり、全体に占める割合は、INで31%、OUTで30%と、昨年同月よりそれぞれ7ポイントと10ポイント増加。コロナ禍で顕著になってきたPPPoEの輻輳を避けて、IPoEへ移行する利用者が増え続けています。
  • 利用者の1日の使用量は、昨年と比べて、ブロードバンド・モバイルともに、全体の利用量が増えていることが分かりました。
    • 利用者間のトラフィック使用量には大きな偏りがあり、全体は一部利用者のトラフィックで占められています。例えば、ブロードバンド上位10%の利用者がOUTの48%、INの76%を占めています。モバイルでは、上位10%の利用者がOUTの48%、INの49%を、上位1%の利用者がOUTの12%、INの16%を占めています。
  • ブロードバンドトラフィックの全体のピークは19時から23時頃でした。一方、モバイルは、平日は朝の通勤時間、昼休み、夕方17時頃から22時頃にかけての3つのピークがあり、利用時間の違いがあることが分かります。
  • ポート別使用量では、ブロードバンドの2021年の全体トラフィックの72%がTCPで、昨年から5ポイント減少。HTTPSのTCP443番ポートの割合は、54%で前回から2ポイント増加しました。HTTPのTCP80番ポートの割合は17%から12%に減っています。QUICプロトコルで使われるUDP443番ポートは、11%から16%に増えていて、HTTPの減った分とQUICの増えた分がほぼ同じです。モバイル利用者のポート使用量は、全体的にはブロードバンドの数字に近い値となっています。

ミニ解説動画

本章をわかりやすく解説した動画も公開しています。

全文はこちらからご覧いただけます。

なお、同筆者によるブロードバンドトラフィックに関するブログ記事もぜひ併せてご覧ください。
https://eng-blog.iij.ad.jp/archives/author/kjc

  • インターネットのトラフィック渋滞 〜「輻輳」はなぜ起こるのか?
  • 新型コロナウイルスのフレッツトラフィックへの影響 他

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