わたしのお父さんは何でも知ってるすごい郵便屋さん [My First Internet ~はじめてインターネットに触れたとき~]

2022年12月15日 木曜日


【この記事を書いた人】
片貝 悠

IIJ プロフェッショナルサービス第一本部所属のエンジニア、自社ルータのSEILちゃんとともに、IIJのサービスをあれこれ組み合わせてお客さまへ届ける日々を送る。カラオケが大好きでPerfumeとラブライブ!、東池袋52が得意。動画はウェザーニュースLiVEがお気に入り。

「わたしのお父さんは何でも知ってるすごい郵便屋さん [My First Internet ~はじめてインターネットに触れたとき~]」のイメージ

IIJ 2022 TECHアドベントカレンダー 12/15(木)の記事です】

わたしのお父さんは郵便屋さんだった

いまから20年以上の前のお話です。わたしが小学校入りたてのころ、

「手紙が来たぞ」

と言われ、父から差し出された1枚の紙。
その紙はA4用紙1枚、黒い文字が印刷された、見た目は「ただの書類」。
普通はそれを「手紙」とは言わないのかもしれませんが、当時のわたしにとってはキラキラ輝く「魔法の手紙」だったのです。
その紙にお返事を書き、普通であればポストに入れるものを父に返して代わりに送ってもらう。まさに身近な郵便屋さんがいたのです。
大学勤めをしていたわたしの父は、インターネットの仕組みこそわかっていなかったと思いますが、世界中いろいろな学者さんとメールやWebを通じて、熱い議論を交わしていたのかもしれません。
各家庭にそこまでインターネットというものが広がっていなかった当時ですが、そのおこぼれをいただいて、普段はあまり会わない知り合いの人と文通をしていたのでした。
また、父は手紙のほかにも、知りたいことを探してはプリントアウトして持ってきてくれました。「お父さんに言えば、なんでも出てくる!何でも知ってる!」とキャッキャしていたのが懐かしいです。

学校にも家にもパソコンがやってくる

それから数年後、学校にもいわゆる「パソコン教室部屋」が置かれ始め、休み時間になると10台くらいしかない端末を全校生徒が取り合う日常が生まれました。
その当時は回線もそんなに太くなかったでしょう。なので、なかなかWebページが出てこなかったものですが、その待ち時間すらワクワクを増幅させる「焦らし」だったのです。
また、授業の一環で沖縄県にいる学校のひととメールを送り合ってお互いの近況を伝え合う、なんていうこともやっていました。自分自身が郵便屋さんになった瞬間です。
それと時期同じくして、家にもインターネットへの接続環境が整いました。アナログ56kbpsですから、数MBのファイルをダウンロードするにも数十分以上かかります。
その間、家の電話が使えず、「最近、ずっと電話掛けても話し中だけど、なんかあったの?」と心配されるくらい、インターネットにのめりこんでいたのです。
自他ともに認める「パソコンオタク」だったわたしは、さわるだけでは飽き足らず、自由帳の見開きにノートPCの画面とキーボードを描いては「こんなパソコン作った」と見せびらかしていたようで、いまでも同窓会などで同級生と会うと「ほんと、パソコンのことで頭がいっぱいだったよね」と必ず言われるほど。改めて思い出すと笑えてきます。

おうちから手のひらに

その後、携帯電話でメールやテレビ電話ができるようになりました。パソコンも人差し指1本で使う「指一本打ち打法」なくらい、機械はそんなに得意ではない父でしたが、なんとかして携帯電話を持たせたところ大当たり。出張に行くと必ずテレビ電話をして出先の景色や表情を届けてくれました。
テレビアニメの世界でしか見たことなかったことが次々と現実となり、ますますインターネット、コンピュータネットワークの世界に興味を持ったものです。

研究人か、企業人か

そんなこんなで、大学も情報系の学科に進み、きちんと勉強して将来は「親父のような研究者になってインターネットを安心安全に使えるような未来を作るお手伝いをしたい」なんて思っていましたが、「いいか、お前は学者なんてむいとらん、就職して企業に入るんだ。好きでしょうがない人がいる仲間たちと一緒に、お前がめざすことをやるがいい」と、父に猛反対されました。
でもその言葉、間違いではありませんでした。研究を進める中で情報を集めていた時に出会ったページ、それこそがIIJの技術広報サイトです。
インターネットが好きで、使いやすい世の中にしようと頑張っている方の熱意が込められたサイトに一目ぼれし、「こんな人たちと一緒に仕事したいなぁ」と思った数年後、いまこうして、思い出を振り返る記事を書いています。

すごい郵便屋さん、ありがとう

いまや、インターネットはなくてはならない存在となりました。そのインターネットを少しでも便利に使ってもらえるようなお手伝いを微力ながらしています。
面と向かって会えないことが多いいまの時代。その中で大切な人が心を通わすためにインターネットが役に立ってほしいと思いながらネットワークを支えるエンジニアは絶えず働いています。

「わー、画面の中にいるー。でも画がきれいだね、そこにいるみたい。」
リモート帰省をした時、画面の向こう側から聞こえる母の声。でもそこに、すごい郵便屋さんの姿はありません。
わたしが社会人になる前に、とってもとっても遠い空の上へ行ってしまった郵便屋さん。インターネットが好きでしょうがない人の集まりの中で一緒に仕事をしているわたしのことを見て、どう思っているかな。
もしいま、お話できるのであれば「お父さん、インターネットに出会わせてくれてありがとう。そしてあのときの言葉、大正解だったよ。」と伝えたいです。

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片貝 悠

2022年12月15日 木曜日

IIJ プロフェッショナルサービス第一本部所属のエンジニア、自社ルータのSEILちゃんとともに、IIJのサービスをあれこれ組み合わせてお客さまへ届ける日々を送る。カラオケが大好きでPerfumeとラブライブ!、東池袋52が得意。動画はウェザーニュースLiVEがお気に入り。

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