ケーブルシップをたずねて三千里

2022年12月14日 水曜日


【この記事を書いた人】
竹﨑 友哉

広大なネットとAS2497の中で働くネットワークエンジニア。趣味は海外旅行とインフラ歩き。社内外で「マンホールの人」と呼ばれている。

「ケーブルシップをたずねて三千里」のイメージ

IIJ 2022 TECHアドベントカレンダー 12/14(水)の記事です】

皆様お久しぶりです。(初めての方ははじめまして) ネットワーク技術部の竹﨑です。IIJには2020年度に新卒で入社し、IIJバックボーンに携わる部署で働いております。過去にはこのような記事を投稿しております。

はじめに

皆様、突然ですが海底ケーブルはお好きでしょうか?もちろん大好きだという方が多いと思いますがご存知ない方のために説明すると、海底ケーブルとは海底に埋設されたケーブルです。一口に海底ケーブルと言っても通信用海底ケーブルと送電用海底ケーブルがあります。ここでは通信用海底ケーブルについてメインにお話します。

通信用海底ケーブルの歴史は古く1851年にドーバー海峡を横断しイギリスとフランスを結ぶ初めての海底ケーブルが敷設されました。国内では1871年に長崎とウラジオストクを結ぶ日本最初の国際海底ケーブルが敷設され

1873年には関門海峡を横断する国内海底ケーブルが敷設されました。

よく話題に上がる例のマップの通り日本には数多くの海底ケーブルが敷設されており、毎年新規の敷設も多数計画されています。

2022年にはトンガで海底火山が噴火した影響でトンガの通信用海底ケーブルが切断され大きなニュースになりました。

 

海底ケーブルについて理解できたところで次の質問です。

ケーブルシップ・ケーブルレイヤーはお好きでしょうか?

私はもちろん大好きです!

ケーブルシップ・ケーブルレイヤーとはその名の通りケーブルを敷設したり修理したりする専用の船です。日本には通信用海底ケーブルの敷設・修理・調査の会社としてNTTワールドエンジニアリングマリン(NTT-WEM)国際ケーブル・シップ(KCS)があります。

それぞれの最新のケーブルシップとしてNTT-WEMのきずなやKCSのKDDIケーブルインフィニティは有名です。

ケーブルシップ・ケーブルレイヤーの魅力

私が感じるケーブルシップ・ケーブルレイヤーの魅力はthe Internetの根幹を担い陸と陸をケーブル1本で繋いでいるところ、国際海底ケーブルであれば数千kmという途方も無い距離のファイバを守っている縁の下の力持ちという存在というところです。日本にはOCCという海底ケーブルの製造を行っている会社があるため国内外問わず多くのケーブルシップが訪れます。ここで補充したケーブルが新規敷設・修理に向かうのかと思いを馳せるところも魅力の1つです。

ケーブルシップの特徴としてケーブルの繰り出しや巻き上げに用いられるケーブルシーブや埋設機・ROV(Remotely operated vehicle)を下ろすためのAフレーム、回収したケーブルを洋上に浮かすためのブイ、海底での作業を可能とするROVが搭載されています。

画像下半分の2つある滑り台のようなものがケーブルシーブ、画像上半分のコの字型のものがAフレームです。船の用語で船首をバウ(Bow)、船尾をスタン(Stern)と言いシーブが船首についているものはバウシーブと呼ばれます。

ROVとブイの写真です。

実際に訪ねてみた

訪ねてみたと言っても、入港する情報を得て現地へ駆けつけ接岸・離岸する瞬間を撮影・お出迎えしただけですが。各港の入出港予定システムに入力されるのは1ヶ月前から2~3日前とバラバラです。また船の稼働状況や直前の仕事により前後することも多々あります。私はまず大まかな予定(destinationとETA)をAIS公開サイトで取得し入出港予定システムをウォッチし確定したら現地へ駆けつける形です。

 

今年も門司港や横浜港へは多くの船が来航しました。いくつかをご紹介します。

SEGERO

SEGEROは韓国最大手の電気通信事業者であるKT(Korea Telecom)グループのKT submarineが所有するケーブルシップです。赤と白のコントラストとファンネルにつけられたktのロゴが特徴的です。

Rene Descartes

Rene Descartesはフランス最大手の電気通信事業者であるOrange(f.k.a. France Telecom)のグループ会社であるOrange Marineが所有するケーブルシップです。日本へ補給やケーブル補充で頻繁に寄港しています。

真っ白な船体と総トン数11,700tを誇る世界最大級のケーブルシップです。Orange Marineは船の名前にフランスの偉人を用いており、Rene Descartesは「我思う故に我あり」で有名なルネ・デカルトから来ています。

他にも多くの船を所有しておりPierre de FermatはKDDIケーブルインフィニティと同じVARDシリーズのデザインです。

Asean Protector

今まではパッと想像する船のようなデザインでしたが、ASEAN CableshipのAsean Protectorは特徴的なデザインをしています。日本へはあまり来航せずシンガポール沖で作業に従事しているようです。こちらはシンガポールへ旅行した際に偶然停泊していたものを対岸から撮影しました。

最後に

マンホールから始まったインフラ歩きですが、マンホールだけに飽き足らず電話局・記念碑、架空・電信柱、ケーブルランディングステーション・ケーブルシップと裾野を広げています。相変わらずマンホール・架空捜索と敷設ルート予想は続けており、怪しいマップができつつあります。もちろん公開できないですが;-)

私が歩くインフラにはそれぞれ魅力があり、船には船の良い魅力があります。皆様も是非横浜港などフラッと訪れてケーブルシップを見に行ってはいかがでしょうか。ちなみに2021年の10月には横浜港へケーブルシップが3隻同時に停泊したときがありました。

※港はセキュリティが高い場所となっておりますので写真撮影や立ち入り範囲は港や国や自治体の指示に従って活動しましょう。

 

三千里に向けた活動状況ですが東京(HND)から北九州(KKJ)は約832kmで三千里は約11781.82kmですので、単純計算14回のフライトが必要です。今年は5往復しかできていないのでまだまだですね;p

 

それでは皆様ご安航をお祈りします!UW

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竹﨑 友哉

2022年12月14日 水曜日

広大なネットとAS2497の中で働くネットワークエンジニア。趣味は海外旅行とインフラ歩き。社内外で「マンホールの人」と呼ばれている。

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