3級 テクニカルライティング試験【エンジニアに役立つ資格】

2023年05月16日 火曜日


【この記事を書いた人】
佐藤 雅子

サービス統括本部 運営推進室 兼 サービス企画推進本部 イノベーションセンター所属。 得意なことはプロジェクトマネジメント、テクニカルライティング、デザイン思考。 研修・ワークショップ等の学びや共有の場の運営、新規事業創出支援を実施。

「3級 テクニカルライティング試験【エンジニアに役立つ資格】」のイメージ

IIJの佐藤雅子です。
普段は、エンジニア向け社内研修・ワークショップ等の学びや共有の場の運営、新規事業創出を実施しています。

今回は、エンジニアに役立つ資格というテーマです。私は、資格のために勉強して良かったと思う資格を2つ紹介します。この記事は、第2弾として、3級 テクニカルライティング試験について書きます。

テクニカルライティングとは、技術的な内容を読み手や目的に合わせてわかりやすく伝える手法です。仕様書やマニュアルといった技術的なドキュメントだけではなく、議事録や資料といった実用文の作成にも役立ちます。
この試験は、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会で実施されています。

資格取得の経緯

私は、サービス開発・運営を実施している部門で、複数の機能から成り立つサービスの仕様の取り纏めや管理を行っていたことがあります。
この業務では、各機能のサービス仕様をレビューし、お客様にとってわかりやすいか、正しく表現されているか、サービス全体として整合性がとれているかといったことを確認します。そして、リライトしたり、共通機能のサービス仕様を自分で書いたりしていました。

各機能を担当しているチームそれぞれとレビューし、仕様を確定させていくのですが、どのような文章構成や表現にすべきかを個人的な感覚ではなく、きちんとした理由や根拠をもとに説明できるようにしたいと思うようになりました。
そうすれば、より関係者全員とスムーズに調整できるようになると考えました。

そのような時、テクニカルライティングというものがあることを知り、この技術を学んでみよう、資格取得を目標にしてみようと考えました。

勉強法

3級 テクニカルライティング試験は、試験時間が100分です。
受験対策本が出ていないので、対策方法は、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会が開催している受験対策セミナーに参加するという方法ぐらいしかありません。
私も、そのセミナーに1回参加しました。あとは協会が出版している「日本語スタイルガイド」を読んで勉強しました。1か月間ぐらい勉強していたと思います。

対策方法や過去問が充実しているわけではないので、少し心配になりますが、「日本語スタイルガイド」の内容を押さえ、受験対策セミナーの練習問題ができるようになっていれば、問題ないと思います。

勉強してみると

「日本語スタイルガイド」を読み、改めてドキュメントの書き方の手順を学びました。

  1. 書こうとしている対象について情報を整理して理解する
  2. 目的と読み手を明確化する
  3. 目的と読み手に合わせて、文章を構成する
  4. 推敲する

当たり前に見えるかもしれませんが、例えば、1.の情報を整理して理解することはとても大切です。きちんと理解できていないと正しい文章は書けないということは本当に実感しています。
また、3.の目的と読み手に合わせるということも、基本のことのように感じると思います。しかし、例えば、サービス提供側として記載しなければいけない注意事項の内容に集中していまい、読み手への意識が薄れ、前提となる仕様の説明が不足してしまうようなことは、起こりがちなことではないでしょうか。

また、読みやすくするために「一文一義で書く(※1)」、誤解されないように「なるべく肯定文で書く」というようなテクニック的な要素も学びました。ちょっとした工夫で、わかりやすい文章になります。

私は知識と経験を融合させて学ぶことが大切だと考えているのですが、実務と照らし合わせることで、本当の理解ができるようになったと感じています。

当日の試験では…

会場では、テクニカルライティングの専門部署と思われる団体の方が受験されているのを見かけました。過去問などを一緒に勉強している様子が見えて、ちょっと羨ましい気持ちになりました・・・。

勉強したことを信じて試験に臨み、結果、無事に合格しました!

さいごに

どうして、この文章構成や表現方法にした方がよいのかを、きちんとした理由や根拠を持って説明できるようになったと思います。
もちろん、どのように書いた方がいいかなと迷う時があり、時々、「日本語スタイルガイド」を手にとって確かめています。そのため、本はボロボロ気味です。

その後、社内でドキュメントの書き方の研修を実施することになったのですが、テクニカルライティングをベースに研修コースを設計し、講師を担当しています。テクニカルライティングを勉強していなかったら、講師を担当するのは躊躇していたかもしれません。
この研修コースでは、実務での事例や演習も組み込んでいます。それによって、社内研修だからこそ実施できる、参加者にとってリアルな研修にできているかなと思います。
テクニカルライティングを学び、このような活動にも活かせています。

文章を書く作業は、AIにより効率的になるとは思います。しかし、私は、わかりやすい文章にするためには、どのような文章構成や表現にすべきなのか、また、その理由や根拠を理解し、それらを判断できるようにしておくことは必要だと考えています。

注記)

  1. 1つの文が1つの内容を表すこと[↑]
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佐藤 雅子

2023年05月16日 火曜日

サービス統括本部 運営推進室 兼 サービス企画推進本部 イノベーションセンター所属。 得意なことはプロジェクトマネジメント、テクニカルライティング、デザイン思考。 研修・ワークショップ等の学びや共有の場の運営、新規事業創出支援を実施。

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