スマート農業の授業をしました in 宮城県登米総合産業高等学校
2023年06月26日 月曜日
CONTENTS
2023年5月31日、宮城県登米市にある登米総合産業高等学校にて、同校農業科の2・3年生49名の生徒さんに、IIJから「スマート農業」について授業をさせていただきました!
◦【プレスリリース】IIJ、宮城県登米総合産業高等学校においてスマート農業の出前授業を実施
様々な場所で活用が進むスマート農業というものがどういったものなのか、実際にセンサーを使ったデモンストレーションや生徒同士のディスカッションを交えて授業を実施しました。
若き学生の皆さんが一体どんな内容を学んだのか、今回はそんな授業の様子をお伝えしていきたいと思います!!
IIJのスマート農業への取り組み
授業の内容に入っていく前に、まずはIIJのスマート農業の取り組みについてお話したいと思います。
IIJのスマート農業への取り組みは、「水田水管理ICT活用コンソーシアム」という共同研究グループをIIJ含め数社で設立し、2017年の農林水産省の公募事業「革新的技術開発・緊急展開事業」にて、水田の水管理にかかわるコスト削減を目的とした実証実験を行ったことから始まっています。
静岡県での実証実験を経て、現在では水田センサー「MITSUHA」が全国の田んぼで活躍しています。
水田センサーMITSUHAは、30分ごとに水位・水温を自動で測定し、スマートフォンのアプリ上で確認することができます。また異常があれば、アラートを送信します。
今回の授業の舞台、宮城県登米総合産業高等学校
前段はここまでとしまして、早速現地の様子についてお伝えできればと思います。
今回授業をさせていただいたのは宮城県登米市。県内有数の米どころで、「ササニシキ」「ひとめぼれ」などの有名なお米の生産地でもあります。こちらの地域でJAみやぎ登米様主導で、スマート農業を積極的に取り入れていて、実証実験やスマート農業機器の導入などを行っています。
授業の場所は登米市にある「宮城県登米総合産業高等学校」です。全校生徒約470名のうち、農業科の2・3年生49名の生徒さんたちに授業を受けていただきました。
スマート農業の取り組みついて、授業で専門家から直接話をすることで生徒にスマート農業を身近に感じてもらい、就農する際にもスムーズに利用できるような知識を身に着けてもらうことを目的にIIJにご相談をいただきました。
今回講師役として、IIJのアグリ事業推進室にて「現場を知る」をモットーに日本全国の現場でスマート農業に取り組んでいる花屋が登壇します。
授業開始
チャイムの音とともに、授業スタートです。
まずは座学ということで、「スマート農業とは何ぞや」というところから、通信機器・センサー等を活用したスマートセンシングや圃場で使われている農業用ロボットやドローンなど、スマート農業に欠かせない先端技術について学んでもらいました。
続いてはIIJのスマート農業の取り組みについての内容です。
先ほどご紹介した水田センサー「MITSUHA」と、センサーを実際に活用していただいた事例の紹介、風向風速や雨量、日射量など様々な気象データを検知する気象センサーや鳥獣害対策に活用するわなセンサー「わなベル」などのIIJが提供するスマート農業機器・技術についてお話しました。
水田センサー「MITSUHA」を使ったデモンストレーション
また、今回MITSUHAのセンサーの実物を持ってきまして、デモンストレーションを実施しています!
ブログ冒頭で、MITSUHAでは測定したデータをアプリ上で確認できるとお話したと思いますが、下写真のようにスマートフォンやタブレットのアプリ上で見たり、アラート通知を受け取ることができます。
デモンストレーションでは、教室に水を張ったバケツを用意して水位を測ったり、近くの田んぼに設置してあるセンサーから取ったデータを、生徒さんたちが持っているタブレットで手元に表示して実際に見てもらいました。
ここまで座学的に紹介したものを実際に見てみる、ということで皆さん手元のアプリをスムーズに操作して見てくれていました!
ワークショップ:スマート農業の課題について議論する
さて、ここまではスマート農業の「良い面」を話してきました。授業の最後は、この時間で学んだことを踏まえて、逆に「スマート農業を利用するときに問題になりそうなこと」を考えてグループディスカッションしてもらいました!
我々IIJも日々の取り組みの中で向き合っているスマート農業の「課題」、なかなか難しいテーマですが生徒さんたちはどんな答えを出すのか・・・
ディスカッションの後は、それぞれのグループごとにまとめた課題とその解決策を発表してもらいました。
考えられる課題として、
・高齢者にはアプリや機器を使えるのか
・機械の修理を自分たちでできるのか
・機器のコストが高い場合はどうするのか
といった課題を
また解決策としては、
・アプリを使用するための高齢者向けデバイスを作る
・農家さんと直接会話して教える
・修理できる場所を作り、専門の業者に頼んだり教わることができるようにする
・政府から補助金を出す
といった解決策を挙げてくれました。
中にはなかなか良い着眼点の意見もあって、
実際にIIJとしては、現地の農家様や自治体様とのコミュニケーションを積極的に行ったり、できるだけ手間やコストがかからないようなシステム・機器設計にしたりといった工夫をしています。
田んぼに設置したセンサーを見に行きました
授業が終わった後は、学校近くの田んぼに移動します。
登米総合産業高校では生徒さんたちが実習で利用する田んぼがあり、IIJの水田センサーも設置させていただいています。
農業科の生徒さん数名と一緒に、実際に設置されている水田センサーを見に行きました。
こうして実際に設置されている様子を生で見ることで、農家様や自治体様が普段どのように活用されているのかイメージしやすいのではないでしょうか。
まとめ
今回は宮城県登米総合産業高校にて実施したスマート農業の授業の様子をお伝えしました。
農業科の生徒さんに授業を受けてもらいましたが、普段から農業に触れているということもあり、しっかりと授業を受けて、ディスカッションも活発にしてくださいました。学校の先生方からも「こんなに熱心に議論してくれるとは」とご好評でした。
私自身もタブレットを使って調べながら議論を進める生徒さんたちに感心しながら授業を拝見していました。
こうした若い世代にも、IIJの取り組みも含めてスマート農業が広まり、少しでも興味を持ってもらえればありがたく思います。