白井データセンターキャンパス 竣工式/内覧会
2019年04月23日 火曜日
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2019年4月10日、友引。
IIJは「白井データセンターキャンパス」の竣工式および内覧会を行いました。
白井データセンターキャンパスとは?
千葉県白井市にできた、IIJの新しいデータセンターです。敷地面積は東京ドームとほぼ同じ約40,000㎡で、頑丈な地盤を誇る下総台地の上に位置しています。
自動化やIoT化が進みトラフィック量が爆発的に増えると、データセンターの需要も高まります。柔軟なファシリティの拡張ができる大きなデータセンターを自社で所有し、様々な開発・ITサービス基盤に活用可能な環境を整えることはIIJの願いでした。
白井データセンターキャンパスは、モジュール構造、省エネの追及、DC運用の高度化・効率化といったコンセプトを、松江データセンターパークから受け継ぎつつ、大規模/大容量に対応したデータセンターです。さらに白井データセンターキャンパスを、単なるサービスの拠点ではなく、近郊のデータセンター、様々なクラウドサービス、IXと接続するHUBへと進化させていく構想もあります。
竣工式
無事に完成したことを土地の神様に感謝し、末永い安全と繁栄をお祈りする儀式です。当日は春とは思えぬ冷たい雨が降り、最寄りの路線で大規模な電車遅延が発生するといったアクシデントもありましたが、来賓の皆様のご協力のもと恙なく開催できました。
内覧会
竣工式に続いて、内覧会を行いました。はじめに、施主を代表して当社代表取締役社長 勝 栄二郎からご挨拶し、つづいて、ご来賓の白井市 副市長 伊藤 道行 様よりご祝辞を頂戴いたしました。
設備見学に先立ち、IIJ 基盤エンジニアリング本部長 山井 美和より、白井データセンターキャンパスを建設した理由と特徴について紹介しました。
白井データセンターキャンパスは、需要や要件に応じた段階的な増設、先端技術の素早い取込みが可能なモジュールコンセプトを採用しています。コンテナ型DC開発/構築/運用からIIJが持つモジュール化ノウハウを大規模DCに適用し、フロア規模(数百ラック規模)でモジュール化が可能で、部材の標準化により高品質で短工期構築を実現できる「システム建築」を採用いたしました。実際、白井データセンターキャンパスの建物は、着工から約8か月で完成しました。
また、コストを節約しつつ省エネ運用を実現するため、白井データセンターキャンパスでは、外気利用の空調方式を採用し、また、高効率な電気設備を導入しています。こうした省エネ型設備の採用により、「環境省平成30年度業務用施設等におけるネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化・省CO2促進事業(次世代省CO2 型データセンター確立・普及促進事業)」に採択されています。
つづいて、ロボットによるデータセンター運用の無人化/自動化の実証パートナーである綜合警備保障株式会社 常務執行役員 鈴木 一三氏より、フィジカルロボット(REBORG-Z)を紹介いただきました。
少子高齢化が進み、労働人口が減少するこれからの日本社会では、人間は人間にしかできない仕事に集中する必要があります。そこで、白井データセンターキャンパスでは、REBORG-Zに来訪者のアテンド、屋内外の巡回業務等の無人化を実現するための実証を行います。さらに、ソフトロボット(RBA/RPA自動化基盤)を利用して、入館申請業務、障害発生時の復旧対応などのいわゆるITオペレーション業務の自動化の実証も行います。
プレゼンテーションの後は、いよいよ設備の見学です。
※当日は雨天だったため、設備の写真は別日に撮ったものを載せています。
サーバルーム
ラックを設置するサーバルームです。内覧会では、床免震を採用したサーバルームを見学いただきました。フロア単位でモジュール化することで、段階的な増設や要件に合わせた構築が可能です。
空調は、「壁吹き出し方式」を採用しています。フリーアクセス床を利用した床吹き出し方式では、床下の多量のケーブルにより、空気の流れに影響がでる可能性があります。今回は、確実な冷却を期待でき、空気の搬送動力を削減できる「壁吹き出し方式」を採用いたしました。さらにラック架列へのアイルキャッピングをしていきますが、現時点ではラックが未設置ですので詳しくは次の機会にお話させていただきたいと思います。
また、空間を最大限に活用するため天井を高く(トールラック対応)しています。電源は標準6kVA/ラックで、20kVA以上の高負荷にも対応可能です。
サーバ棟外観
①の部分は外気取込口で、ここから外気を吸い込んでいます。取り込んだ空気は、空調設備機械室などを経由して、サーバルームへ送り込まれます。サーバで温められた空気は、運転状態により、循環する場合と排気する場合とがあり、排気する場合は、②の排気口から排出されます。
空調設備架台
チラーや配管などが設置されています。写真中央、3つの大きなタンクには、水が冷却された状態で常時蓄えられています。これは停電発生時に、発電機稼動までの間、冷却機能を維持するためのものです。
こうした設備を建物内に設置する場合、スペース確保のため建築面積が大きくなり、また、屋上設置の場合も柱を太くするなど対応が必要になります。今回、建物とは別に架台に設置することで、建築コストを抑えることができました。
非常用発電機
ガスタービン式で、72時間連続運転可能な燃料を備蓄しています。出力は4,000kVAです。
見学会の後は、来賓の方々とささやかな宴を催し、お開きとなりました。
白井データセンターキャンパスの本格稼働は5月を予定しています。これからのITサービスを支えるファシリティであり、HUBである「キャンパス」を目指す関係者一同の忙しい日々は、まだまだ続きそうです。