IoTハッカソンの全国大会 Web×IoTメイカーズチャレンジPLUS 2025 グランプリ決定戦
2026年05月18日 月曜日
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決まった期間内にテーマに沿った作品を作る「ハッカソン」イベントは様々な団体で開催されています。今回紹介する「Web×IoTメイカーズチャレンジPLUS」もそんなイベントの一つですが、ちょっとおもしろい特徴があります。
一つの特徴は、「Web標準技術(JavaScript)」を基盤にしたIoT技術を学ぶイベントであること。
そしてもう一つは、全国各地(2025年度は7カ所)でハッカソンを実施・作品を制作し、各地域の優秀作品が集う全国大会「グランプリ決定戦」が開催される、二段構えのイベントであることです。
この記事では、2025年3月15日にオンラインで開催されたグランプリ決定戦を主に紹介いたします。
※この記事の筆者の堂前は、Web×IoTメイカーズチャレンジPLUS中央協議会の委員、2025年度グランプリ決定戦の審査員を務めています。また、IIJはグランプリ決定戦をシルバースポンサーとして支援しています。
2025年度 全国グランプリ
いきなりですが、今年度のグランプリを発表しましょう。
2025年度のグランプリは鳥取代表のチーム名「ペット守り隊」が開発した「まもるくん」でした。
「まもるくん」は、画像の通り、飼い主がペットを見守るためのIoTデバイスです。災害時など、飼い主とペットが離れ離れになったシチュエーションが想定されており、GPSを使ってペットの位置を見つけるのが基本的な機能ですが、このデバイスの着目点はそれだけにとどまりません。
災害時には、ペットの位置が分かってもすぐにペットを助けに行けるかどうかわかりません。そこで、会話やチャットができないペットとのコミュニケーションのために、心拍数センサーなどでペットのバイタルを送信。反対に、飼い主からは振動やヒーターでペットを気遣うことができます。
さらに、ペットを見つけてくれた第三者が飼い主とコミュニケーションをとるための機能も実装されています。
離れ離れになった相手の「位置」を共有するだけでなく、ペットの状態を飼い主が思いやることができる、というのがこのデバイスの特徴です。
「まもるくん」を製作されたチーム「ペット守り隊」の皆さんには、グランプリ決定戦後援の総務省より、総務省国際戦略局長賞が贈られました。(上記は鳥取のハッカソンで最優秀賞を受賞されたときの写真です)
地域ハッカソンについて
さて、このグランプリを受賞したチーム「ペット守り隊」は、前述の通り鳥取代表のチームです。「Web×IoTメイカーズチャレンジPLUS」では、地域ごとにハッカソンが開催され、それぞれの地域の審査で最優秀賞を獲得したチームが、全国大会であるグランプリ決定戦へと参加しています。
これら、各地域のハッカソンはそれぞれ地元の皆さんが組織された運営委員会が主催し、地域ごとに設定されたテーマに取り組んでいます。
2025年度開催実績
| 地域 | テーマ | 参加者 |
|---|---|---|
| 秋田 | 「IoTで描くミライあきたNEXT」 | 大学生6名、高専生1名、専門学校生12名、社会人2名、計21名 (4チームがハッカソン参加) |
| 信州 | 「信州の安心・安全を守るIoTシステムの構築」 ~先端技術を使って、身近な危険を回避しよう~ | 社会人 12名、大学生 9名 計 21名 (4チームがハッカソン参加) |
| 三重 | 「三重の“モヤモヤ”大発見!地域の困りごと×IoT」 | 大学生10名、高専生1名、高校生2名、中学生1名、社会人8名、計22名 (4チームがハッカソン参加) |
| 鳥取 | 「IoTで解決!鳥取の防災に役立つモノづくり」 | 大学院生1名、大学生5名、専門学校生5名、高専生14名、高校生17名 計42名 (8チームがハッカソン参加) |
| 岡山 | 「Web×IoT で岡山のスポーツを盛り上げよう!」 | 大学生28名、高専生1名、中学生1名、社会人14名、計44名 (8チームがハッカソン参加) |
| 徳島 | 「持続可能な徳島」 | 高校生3名、大学生・大学院生4名、社会人1名、計8名(メンター2名含、2チームがハッカソン参加) |
| 香川 | 「IoTを活用した課題解決」 | 社会人 8名、高校生 10名 計18名 (4チームがハッカソン参加) |
※開催日程などの詳細は各地域ハッカソンの開催報告をご覧ください
それぞれの地域ごとに日程の違いはありますが、各地のハッカソンでは作品の制作に入る前に座学と、JavaScriptから簡単にセンサーやモーターを扱うことができるオープンソースのプロトタイピングフレームワークCHIRIMENを実際に使ってみるハンズオンなどが実施されています。こうした準備を経て、チームごとに作品作りに取り組むというのが、Web×IoTメイカーズチャレンジPLUSの共通の流れとなっています。
参加者の中にはITの専門家ではなく、「IoTって何ができるの?」ということがピンとこない方もいらっしゃいます。こういった方でも実際に手を動かして、何ができるかを目の前で見ることで、発想を膨らませることができるのです。
ちなみに、「IoTって何ができるの?」という悩みは、趣味の工作だけでなく、ビジネスの現場でも発生していることです。IoTの要点は「越境」にあると思います。ITの人が非ITに踏み込むだけでなく、非ITの人もITに踏み込む。そういう現場で非ITの人が「IoTでできること」を体感するのは、とても重要です。Web×IoTメイカーズチャレンジPLUSもそういった越境のきっかけになってくれればいいなと思っています。
各地のハッカソンは2026年度も開催の方向で検討が進んでいるということです。開催予定はWeb×IoTメイカーズチャレンジPLUSのWebサイトに随時公開されますので、ご注目ください。素敵な作品を作り上げ、グランプリ決定戦に挑戦していただけることを楽しみに待っています。



