Starlinkはレベル4大雨危険警報でも使えているか?検証しました

2026年08月26日 水曜日


【この記事を書いた人】
谷口 崇

長くゲーム業界に出向していましたが、2022年秋に戻ってきました。ゲーム業界での経験も生かしながらIIJのエンジニアとしてちょっと面白いことを提供できていければいいなぁと思っています。格闘ゲームの世界チャンピオンになった従兄弟がいますが彼にゲームを教えたのは僕ではありません(笑) 。COO2026優勝おめでとう!!

「Starlinkはレベル4大雨危険警報でも使えているか?検証しました」のイメージ

2026年8月22日、東京都内で「警戒レベル4(危険な場所から全員避難)」に相当する大雨に関する発表がありました。台風や集中豪雨等により浸水害の発生リスクが非常に高まった状況です。

IIJエンジニアリングの神田オフィス屋上に設置しているStarlinkも、この激しい大雨の影響下に入りました。そこで本記事では、大雨の際にStarlinkの信号品質はどう変化したのか、通信断は発生したのかについて、気象庁の雨雲レーダーや計測データと比較・検証した結果をご紹介します。

神田オフィスのStarlink環境

使用しているのは第2世代のStarlinkキット(Standard Actuated / Standard ムーブ)で、日本では2022年11月頃から展開されているモデルです(神田オフィスへの設置は2023年9月)。

Standardムーブ(Standard Actuated)

ビルの屋上に取り付けたときの様子

 

2026年8月22日の状況

警戒レベル4相当の情報が発表されたのは22日18時00分頃。対象は東京都中央区、新宿区、文京区、台東区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、埼玉県和光市などでした。神田がある千代田区は厳密には対象エリア外でしたが、周辺地域と同様に激しい雨に見舞われました。

この時のStarlink管理画面における信号品質(SNR)の推移は以下の通りです。グラフの縦軸は、0dB〜10dBの範囲を0〜100%に正規化して表示されています。

SNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音比)は「必要な信号の強さ」と「障害となるノイズ」の比率を示します。単位はdB(デシベル)で、数値が大きいほど「ノイズの影響が少なくクリアに受信できている」ことを意味します。この管理画面では、ユーザが直感的に状態を把握できるようスケール変換されています。本環境において10dB以上のSNRが得られていれば通信に支障が生じないため、10dB以上を品質100%と判定していると考えられます。

グラフを確認すると、16時40分付近で信号品質が一時的に0%まで低下し、その前後約2時間も大きく変動していたことが分かります。

次にこの時間帯の東京の降雨ですが、tenki.jp で過去の雨雲レーダーの情報を確認できます。

東京都の雨雲レーダー(2026年08月22日)

信号品質が最悪値を記録した時間帯(16時40分頃)の画像はありませんが、付近の状況から、神田周辺でも時間雨量80mmクラスの強い降雨があったと推測できます。

 

 

さらに、Starlink配下の機器からSmokePingを用いて実施した疎通確認(ICMP応答)のグラフが以下になります。16時30分から17時頃にかけて、顕著なパケットロスが発生していたことが確認できます。

 

結果:大雨の中でStarlinkは使えたのか?

Starlinkは公式にも「過酷な気象条件下でも信頼性の高い高速通信を提供する」とされています。今回の検証結果を振り返ると、80mmクラスの豪雨のピーク時には一時的な品質低下や通信断を伴うパケットロスが発生したものの、雨の弱まりとともに速やかに通信が回復していることが分かりました。激しい豪雨の最中であっても、実用上かなりのレベルで耐え抜いていたと言えます。

なお、今回取得できたデータは疎通確認(ICMP)のみであるため、品質低下時に実際の通信速度(スループット)がどこまで低下していたかまでは特定できていません。今後は、信号品質の低下を検知した瞬間に自動で速度測定を実施するようなシステムを構築し、さらなる詳細検証に挑戦したいと考えています。

谷口 崇

2026年08月26日 水曜日

長くゲーム業界に出向していましたが、2022年秋に戻ってきました。ゲーム業界での経験も生かしながらIIJのエンジニアとしてちょっと面白いことを提供できていければいいなぁと思っています。格闘ゲームの世界チャンピオンになった従兄弟がいますが彼にゲームを教えたのは僕ではありません(笑) 。COO2026優勝おめでとう!!



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