ソーラーパネルで動くLoRaWAN®基地局をスマート農業向けにDIYで設置してみた(前編)

2020年03月24日 火曜日

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IoTビジネス事業部のm-ohnishiです。普段はLoRaWAN®やカメラのソリューション企画を担当しています。

こちらのブログ記事はIIJ Engineers Blogの中心読者であるエンジニアの皆様だけでなく、スマート農業・農業IoTに関心を持たれている農業経営体(農家)の皆様もターゲットとしています。エンジニアでない方には少し難しい技術用語も含まれていますが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

なお、本文中に出てくる「水田水管理ICT活用コンソーシアム」の取り組みについては、『「水田水管理ICT活用コンソーシアム」を設立し、 農林水産省の公募事業「革新的技術開発・緊急展開事業」を受託』のプレスリリースや「農業IoT始めました」のブログ記事でご紹介しております。また、「水管理パックS」については「農業経営体向け水田水管理IoTシステムを販売開始」のプレスリリースをご参照ください。

農業IoT普及のために

IIJが代表機関となり、水田の水管理作業省力化のためのシステムを開発する「水田水管理ICT活用コンソーシアム」では、水田の水位と水温を測定する水田センサーと、水管理作業を自動化する自動給水弁、それらをつなぐLoRaWAN®基地局(ゲートウェイ)を開発してきました。成果をパッケージ化した「水管理パックS」には、Kiwi Technology製のコストパフォーマンスに優れたLoRaWAN®対応屋内型基地局 TLG3901BLV2」が含まれています。この機種はインターネットとの通信のためのLTEモジュールを搭載しているため、電源さえあればLoRaWAN®機器とインターネットとのゲートウェイとして動作します。農業経営体のご自宅や作業所に設置していただくことを想定していますが、ご自宅が圃場から遠い場合や、作業所に電源がない場合はお使いいただくことができません。

LoRaWAN®対応基地局には屋外型の「TLG7921M」という機種もあり、こちらは通信性能と信頼性が高い製品です。しかし、「TLG3901BLV2」よりも価格が高く、広い通信範囲をカバーするにはアンテナを高い位置に設置する必要があります。かつ、電源がある場所の確保と設置工事が必要になります。地域全体での導入には向いていますが農業経営体が単独で導入するのはハードルが高そうです。

そこで、「TLG3901BLV2」を使って電源不要のソーラー基地局を安価に設置できないかを検討しました。コスト面でのハードルの高さに途中でくじけそうになりましたが、農業IoT普及と日本の農業の未来のために頑張りました!

今回、ようやく満足のいくソーラー基地局が設計でき、その第一弾を設置しました。お話ししたいことが多すぎて長くなりましたので、今回は前編として検討、設計、事前準備、事前加工についてご紹介したいと思います。

ソーラー基地局を安価に提供する

ソーラー基地局を安価に提供するにあたって、まずどの程度の価格にできるかを考えました。

災害監視用などでソーラー監視カメラシステムが市販されていることは知っていましたが、高いものでは100万円程度するようなものもあります。この価格になってしまうと農業経営体に気軽に導入していただけません。ソーラー監視カメラシステムを販売されているベンダーの方にも相談しましたが、安価な部材を採用しても30~40万円程度は見込まないと難しそうというお話でした。携帯電話用の基地局は1つあたりの設置費用が3000万円~5000万円だそうなので、それに比べたら1/100くらいの価格ですが、農業経営体に気軽に導入していただける価格でないと意味がありません。

次に、どの程度の価格であれば農業経営体に気軽に導入していただけるかを考えました。

仮にエイヤで、基地局の使用期間を「TLG3901BLV2」の通常利用時の保証期間である3年間、「水管理パックS」に含まれる水田センサーが10台で10圃場をカバー、標準構成に対する追加費用を1圃場あたり2,3時間のアルバイト時給程度の年間2000~4000円程度に抑えると考えました。その計算だとコスト目標は6万円、高くても12万円程度に収めたいところです。これでは材料費さえ賄うことが厳しい状況なので、以下の方針で検討を進めることにしました。

  • 原則DIYとし、部材の加工や組み立てはユーザー自身で対応していただける構成にして部材加工費用や設置費用をなくす。農業経営体はご自身でビニールハウスなどを設置されている方も多くてDIYには慣れており、工具類も豊富にお持ちの場合が多いので、それでよいという方は多いはず。
  • IIJからの一式販売ではなく、インターネット通販やホームセンターで入手可能な部材のみで構成できるようにし、ユーザー自身で調達していただくことで中間マージンをなくす。
  • ブログなどで組み立て・設置過程を公開し、それを参考に組み立て・設置していただく。
  • 防雨対策は必要十分と思われるものに絞り、完全な対策が難しくコストがかかる雷サージ対策は省略する。
  • 想定を超える自然災害や設置場所の問題で故障した場合は、交換部品を安価に入手できるようにすることで有償となることにご理解をいただく。

DIYソーラー基地局を設計する

DIYソーラー基地局プロトタイプ版

ここまで、農業経営体自ら設置していただけるDIYソーラー基地局とすることで、コスト目標のクリアを狙うことを説明してきました。実は、「水田水管理ICT活用コンソーシアム」の圃場実証で、屋外基地局から遠くて電波が届かない圃場を補完するために、DIYソーラー基地局のプロトタイプ版を設置した実績があったのです。そのプロトタイプ版のソーラー基地局がこちらです。

屋外基地局から遠くて電波が届かない圃場を一時的に補完する目的だったため、以下の方針で短期利用と限られた通信範囲を前提とした簡易的な構成としました。

  • 圃場脇で設置スペースが限られていたので、なるべく設置場所をとらないコンパクトサイズにする。
  • ソーラーパネルとバッテリー以外はすべてホームセンターで調達できる部材とする。
  • 部材はなるべく少なくし、工具を使わずに一人で簡単に設置できる構成とする。
  • 通信範囲は狭くてよいので、強風による影響を受けにくい平置とする。

ソーラーパネルとバッテリーはネット通販で購入でき、付属のケーブルをつなぐだけで使える多目的用途向けの軽量でコンパクトな製品を使用しました。また、野菜の採集かごを逆さに重ねてソーラーパネル架台としました。防雨対策・夏場の高温対策のために、内部に発泡スチロール製のクーラーボックスを入れ、バッテリーと基地局本体を収納しました。発泡スチロールなのでふたの隙間からケーブルを通すことで、穴あけ加工が不要になるのもよかった点です。すべての部材の調達価格は62千円程度でしたので、コスト目標も十分にクリアしていました。

プロトタイプ版の課題

ただし、プロトタイプ版には本格的な利用に関して、以下のような課題がありました。

  1. 遠隔地での長期利用におけるソーラーパネル・バッテリーの信頼性・耐久性が未知数。
  2. 防虫対策・日射対策・雑草対策が不十分。大雨時の浸水の不安も大きい。
  3. アンテナの高さが低いので、通信範囲が限られる。

1については、実際に設置してから3週間程度は問題なく稼働していましたが、その後通信が途絶えてしまいました。現地訪問して確認したところ、バッテリー・基地局本体ともに異常はないようでしたが基地局本体が停止していました。電源を入れなおしたら問題なく動作しましたが、何が原因で停止したのかは詳細不明のままです。何かあったときにリセットできない遠隔地での長期利用には向かなかったのかもしれません。バッテリーとソーラーパネルの接続はバッテリーの電源入力ポートに挿すだけでしたが、ネジ等での締め付け固定が行えないために養生テープで仮留めする形なのも不安でした。

2については、防草シートを敷かずに設置したこともあって雑草が生い茂って埋もれていました。採集かごの内部にまで雑草と虫が入り込み、蜘蛛の巣も多数できていました。発泡スチロールのクーラーボックスにはアリの巣ができており、内部がアリまみれで大変なことになっていました。

ソーラーパネルも長時間の日射のせいか、または虫などにやられたのか、ケーブル付け根のプラスチックパーツとソーラーパネルの貼り合わせ部分が劣化していました。

#動画閲覧注意。これを回収して洗った後で会社に送り返したら、中からアリが大量に出てきて私の机が大変なことになったのはナイショです。

多くの課題が見つかったプロトタイプ版でしたが、収穫もありました。

  • 雑草や虫、浸水の影響を受けず、かつ通信範囲をなるべく広くするために、ソーラーパネルと機器類、アンテナは高さを十分に確保する必要がある。また、強風でも倒壊しない強度のある部材で構成する必要がある。
  • プロトタイプ版の設置場所は建物が近くにあり、午前中は一時的に日陰になる場所だったが、秋口で雨が多い時期にもかかわらず長期稼働していた。ソーラーパネルとバッテリーの容量は十分だが信頼性に不安がある。多少重くて嵩張ってもよいので、常時利用を想定したしっかりした製品を選定する必要がある。
  • 発泡スチロールはダメ。ゼッタイ

上記条件を満たしつつ、コスト目標もクリアするのは大変そうです。

ソーラーパネル架台の見直しとアンテナポールの設置

まずはプロトタイプ版からソーラーパネル架台を見直すとともに、広い通信範囲を確保するためにアンテナポールを設置することにしました。

監視カメラ向けのソーラーシステムを販売されているベンダーの方に相談したところ、工事現場の足場などに使用する単管パイプという48.6mm径の太い鋼管と、クランプという固定金具を組み合わせて設計するのがよいとのアドバイスをいただきました。「水管理パックS」に含まれる水田センサーの通信ボックス用ポールは22mm~25mmなのですが、その倍くらいの太さなので強度としては申し分なさそうです。また、価格も安価で1mあたり500円以下、さらにホームセンターでも販売されており、入手性も問題なさそうです。

アンテナポールは最大2mの単管パイプをジョイントでつないで最大4mとすることにしました。2mであれば軽トラックにも載せることができ、一人でも輸送が可能です。周囲にあまり建物がなく平坦な場所であれば、経験上はこれくらいの高さがあれば半径1km程度の範囲で安定的に通信できそうです。ただし、「TLG3901BLV2」の付属アンテナを使うには、基地局本体をアンテナポールの上部に取り付ける必要があります。もともとはバッテリーと基地局本体を一つの防水ボックスにまとめて入れることを想定していました。しかし、バッテリーが収納できる大きさで高い防水性を備えたケースは1万円を超える非常に高価なものしか見つけられませんでした。また、その場合は4m程度の高さに10kgを超える重さの大きな防水ボックスを設置することになり危険です。そこで、基地局本体を収納する通信ボックスと、バッテリーを収納する電源ボックスを分け、その間を長いUSBケーブルでつなぐことにしました。

通信ボックスとアンテナの選定

通信ボックスについては、「TLG3901BLV2」の付属アンテナだと少しサイズが大きすぎてアンテナを曲げない状態で入るものが見つかりませんでした。アンテナを曲げた状態で入るものはありましたが、ポール取付金具が高価でした。また、金属製の単管パイプと干渉して通信に影響しないように、アンテナを単管パイプより上に配置することも考えると、適当なものが見つかりませんでした。

仕方がないので、「TLG3901BLV2」の前機種「TLG3901BL」の付属アンテナを採用することとしました。技適は取得済みなので電波法上は問題ありません。「TLG3901BLV2」の付属アンテナよりもやや通信性能が見劣りしますが、少し小型のため、タカチ社のIP67耐候性防水ボックスWP20-28-7Gだと余裕をもって収まります。また、穴あけなしで単管パイプに取り付けることができる安価なポールマウントブラケットが用意されています。こちらは通信ボックス中央に取り付け可能なので、単管パイプとアンテナが干渉せず、通信性能を十分に発揮することもできそうです。

ソーラーパネルとバッテリーの変更

安価な単管パイプを採用することにしましたが、通信ボックスと電源ボックスの分割によるコストアップもあり、ソーラーパネルとバッテリー以外の部材コストは約3万円となりました。十分に安価ではあるのですが、プロトタイプ版では4千円程度だったのと比べると大幅なコストアップとなります。そこで、総額を抑えるためにプロトタイプ版で5万8千円程度だったソーラーパネルとバッテリーの見直しを検討することにしました。

もともと遠隔地での常時利用における信頼性・耐久性が未知数でもあったので、できればこの際にそのような実績がある製品を選定したいところです。いろいろと調査したところ、カウスメディア社のソーラーバッテリーセットが100Wのソーラーパネルと55Ah・12Vのバッテリー、充電コントローラーやケーブル類一式セットで送料・消費税込み約3万円と非常に安価でした。プロトタイプ版と同等以上の容量で、かつ田畑で使う電気柵用のセットも販売されているなど、遠隔地での常時利用における実績もありそうでした。「TLG3901BLV2」の通常利用時の消費電力が3W弱ですので、バッテリーが満充電であれば単純計算で 55(Ah) x 12(V) / 3(W) = 220時間(約9日間)の連続動作が期待できます。これなら梅雨の長雨にも耐えられそうです。

早速こちらを通販サイトで注文すると同時に、一度詳しいお話を伺いたい旨をカウスメディアの方にご連絡しました。

第一弾の設計FIX

カウスメディアの方に弊社までお越しいただき、ソーラーバッテリーセットを使った安価なDIYソーラー基地局を展開したいことをご相談したところ、快くご了承いただけました。しかも、獣害対策用の電気柵向けソーラーシステムなども販売されており、圃場への設置経験もあるそうで、設計にもご協力いただけることになりました。カウスメディアではソーラーパネル架台も販売されており、それを使った構成とすることでより簡単に設置できるとのご提案もいただきましたが、実証圃場は風の強い地域で、第一弾は圃場脇への設置で杭打ちによる固定が必須と思われたので、当初予定通り単管パイプでソーラーパネル架台を組むことにしました。

また、ケーブルの通し穴を防水するケーブルグランドの選定や、ケーブルの保護、強風対策を考慮した設計についてもアドバイスをいただくとともに、ソーラーパネルを単管パイプに固定するための専用金具についてもご紹介いただきました。それらのアドバイスを踏まえて、最初に設置するDIYソーラー基地局第一弾の設計をFIXしました。

DIYソーラー基地局を設置する

部材調達

DIYソーラー基地局を構成する部材の調達先は、以下の基準で選定しました。

  • 調達先はなるべく絞り、まとめて発注できるようにする。通販サイトの場合は送料が一定金額以上で無料になるサイトとする。
  • ソーラーバッテリーセットとソーラーパネル固定専用金具はカウスメディアの自社通販サイトからの調達とする。
  • 単管パイプおよびクランプ類はホームセンターでの現地調達とする。取り置きサービスが利用できる場合はそちらを利用する。

通販サイトは種類が豊富で送料無料のものが多いAmazonに絞ろうかと思いましたが、通信ボックス用のタカチの防水ケースやポール取付金具は取り扱いがないため、電子部品や半導体パーツの通販に特化した通販サイトも活用することにしました。ホームセンターは第一弾の設置場所に近い店舗があり、取り置きサービスがあるコメリを利用することにしました。

事前準備

現地への設置の前に、事前準備として調達部材の動作確認や加工を行っておきます。調達する部材リストについては現地調達分と合わせて後編でご紹介します。

動作確認

ソーラーパネル、充電コントローラー、バッテリーを「TLG3901BLV2」と接続し、ソーラーパネルを窓際において数日間正しく動作することを確認しておきます。可能であれば、実際に設置する水田センサーも用意して、水位や水温が取得できることを確認しておくのが望ましいです。

今回は弊社オフィスの東向きの窓に張り付けるようにソーラーパネルを置いて、年末年始の10日間の稼働状況を確認しましたが、特にバッテリー容量は開始前後で減ることなく連続稼働していました。冬場の東向きの日射条件があまり良くない環境としては上々の結果です。

通信ボックスの加工

最初に、基地局本体を入れる通信ボックスを加工します。

通信ボックスは標準では基地局本体を固定する取付部材が用意されていません。基板を取り付けて結束バンドで固定するといった方法もありますが、今回は手で収納物の形状や大きさに合わせてブロックをくり抜くことができるブロッククッションというものを使用しました。

まず、クッションの外側を手でくり抜いて通信ボックス内に収まるようにします。通信ボックスよりもクッションの厚みがあるので、カッターで水平にカットしてフタが閉まるようにします。カッターの刃を最大に伸ばしてカットしますので、手を切らないように注意して少しずつカットしてください。裏返して使うので少し凸凹になっても大丈夫です。

次に、「TLG3901BLV2」に前機種「TLG3901BL」の付属アンテナをつけた状態で収まるように、クッションを裏返したうえでクッションの内側をくり抜いて通信ボックス内に収まるようにします。このとき、基地局本体ができるだけ通信ボックス上部に収まるようにくり抜いてください。通信ボックスを単管パイプに取り付けた場合に、単管パイプとアンテナの電波干渉が起きにくいようにするためです。

基地局本体が通信ボックスに収まることを確認したら、USBケーブルのコネクタ部分を手でくり抜いてカットします。USBケーブルは付属のものとは異なる3m~4m程度のものを使用しますので、使用するUSBケーブルのコネクタの大きさに合わせてカットしてください。

基地局本体を通信ボックスに固定して収納できるようになったら、中身を一旦抜いてケーブルグランドを取り付けます。

USBケーブルを通す穴を1箇所あけますが、写真のようなクラフトリーマを使用するか、電動ドリル(電動ドライバーにドリルをつけたものでよい)を使用します。削りカスが出るので、ゴミ箱の上で作業してください。クラフトリーマで穴を開けるのはかなり時間がかかるので、電動ドリルがあれば最初はそちらを使用してください。電動ドリルのビットは最初は細いものを使用し、穴よりも少し細い太さのものまで順番に交換して使用して徐々に穴を拡げていきます。

穴の大きさはケーブルグランドが挿入可能なギリギリの大きさにします。穴の中心を端にしすぎると取付できなくなるので、マジックで穴の位置と大きさをマークしてから穴あけすることをお勧めします。また、ある程度穴が大きくなったら、ケーブルグランドが挿入可能かどうかを確認しながら穴の大きさをクラフトリーマで微調整してください。外側から削るだけだと穴の大きさが外側だけ大きくなるので、内側と外側から交互にクラフトリーマを挿入しながら少しずつ削ります。(私は目測で穴の中心を決めたので、あやうく穴が通信ボックスの端からはみ出しそうになりました。)

削り終わったら、ケーブルグランドを取りつけ、内側からナットを閉めて固定します。バリがあるとナットが根元まで閉まらないので、やすりなどでバリを取ってから固定してください。

ケーブルグランドの固定が完了したら、ポールマウントブラケットを取り付けます。

今回使用するタカチ社のポールマウントブラケットWPMB-M4-2Gには、下図のようにボルト、ナット、ワッシャーが2個ずつ含まれていますが、単管パイプの場合はボルトのみを使用します。

ワッシャーを使うと、ボルトの頭がブラケットの穴に収まらず、単管パイプを取り付けた場合にブラケットとの間に隙間ができてしっかり固定できなくなりますので、ワッシャーは使わずにボルトのみを使用してください。

ポールマウントブラケットを取り付けたら通信ボックスの加工は完了です。

電源ボックスの加工

通信ボックスの加工が完了したら、今後はバッテリーと充電コントローラーを収納する電源ボックスを加工します。

まず、USBケーブルを通す穴を1箇所、電源ケーブルを通す穴を2箇所あけてケーブルグランドを固定します。USBケーブル用の穴は、最初に電動ドリルでケーブルグランドが挿さるよりも少し小さめの穴を開けます。

その後、クラフトリーマで穴を少しずつ広げながら、ケーブルグランドが挿さるギリギリの大きさに調整します。

穴あけが完了したら、ケーブルグランドを電源ボックスの表側から挿してUSBケーブルを通し、裏側からネットを締めて固定します。

同じように電源ケーブル用の穴を2箇所開けます。電源ケーブルの赤はプラス、黒はマイナスですが、どちらに挿しても問題ありません。

これで電源ボックスの加工は完了です。

最後に通信ボックスと電源ボックスにUSBケーブルおよび電源ケーブルを接続し、ケーブルグランドを締めるとケーブルが引っ張っても動かないように固定されることを確認します。

USBケーブルは通信ボックス側のケーブルグランドにmicroUSBコネクタ、電源ボックス側のケーブルグランドにUSBコネクタを挿しますが、今回使用したUSBケーブルはいずれのコネクタもそのままではケーブルグランドを通りませんでした。通らない場合は、コネクタの樹脂部分の左右をケーブルグランドの内径に合わせてぎりぎり通るようになるまで、少しずつカッターで削ってください。

また、今回は電源ケーブルは隙間なく固定できましたが、USBケーブルが編み込み素材のためか引っ張るとケーブルが少し動いてしまいました。このままでは十分に防水できないため、ケーブルグランドの締め付け部分にテープを巻いて隙間を埋めるようにしました。ビニールテープだと防水性にやや不安があるので、ホームセンターなどで販売されているブチルゴムテープを使うのがよいでしょう。

これで事前準備は完了です。宅配便で現地に送る場合は、ケーブルグランドが破損しないようにプチプチなどで保護してから梱包して発送してください。

以上が前編です。
後編では現地設置と部材リスト、今後の計画についてお話したいと思います。

m-ohnishi

2020年03月24日 火曜日

2016年にIIJにJoin。現在はLoRaWAN(R)とカメラを中心としたIoT企画を担当しています。農業IoTとカメラの融合でみんなを楽しく楽にすることを日々考えています。

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