開発をしたい!インフラも気になる!となりませんか?

2026年05月11日 月曜日


【この記事を書いた人】
伊藤 綾夏

名古屋支社開発チームのスクラムマスターとして日々奮闘中。よいサービス、よいプロダクトは楽しく元気なチームから生まれると思っています!関わる人すべてが笑顔になるために、私は何ができるのだろうか・・・。

「開発をしたい!インフラも気になる!となりませんか?」のイメージ

インフラで消耗してしまう関心事ってなんだろう

開発を進めたいのに、気づけばインフラの確認や調整も気になっちゃって——そんな経験はないでしょうか。

たとえば、こんな「インフラの関心事」が日々の割り込みになりがちです。

  • インフラ設計の反映に向けた申請・レビュー待ち
  • 環境差分が出てしまって調査をする
  • 監視・ログが整っておらず、障害調査が長引く
  • 設定が人依存で、担当者がいないと作業が止まってしまう

この記事では、インフラの関心事を “ゼロにする” のではなく、 “減らして他のことにも集中できる状態を作る” ための考え方を整理します。

前回の記事『インフラは誰が構築するの?Software Defined時代の現場感』内で記載しました、
「インフラとアプリを分けず、同じチームの中で扱う」の続きとして、読んでいただけると嬉しいです!

関心事を減らすための3つの設計

インフラの関心事は、単にサーバやネットワークの話だけではありません。

チームが毎回「誰かが判断する」「誰かが手作業する」「誰かが知っている」に依存している部分が、関心事として残り続けます。

逆に言うと、関心事は設計で減らせます。

標準化:迷う余地を減らす

標準化は、選択肢を減らして迷いと差分を減らす取り組みです。

  • 環境の作り方(構成、命名、タグ、ディレクトリ構成)
  • 監視の基本セット(メトリクス、ログ、アラートの最低限)
  • 変更手順(デプロイの流れ、ロールバック)

「標準」があると、チームは “設計に悩む時間” を “作る時間” に変えることができます。
「今回の環境は、この標準が最適なのか、もっと良い方法があるのではないか」と議論する主軸にもなりますね。

自動化:手作業を減らす

自動化の狙いは「楽をする」だけではなく、間違えやすい手順をコードとパイプラインで実装することで、やることも、覚えることも減り、結果として安全に作業ができます。

“人” から “仕組み” に寄せるほど、関心事は減っていきます。

セルフサービス:待ち時間を減らす

環境払い出し、権限付与、設定変更で待ち時間ができると「そろそろかな?」とソワソワしちゃったりしませんか?

セルフサービス化の例はこんなイメージです。

  • テンプレから環境を作るパイプラインの作成
  • よくある運用操作はボタン一つ/コマンド一つにする

“安全にできる範囲” を定義するのがポイントです。

サーバレス/コンテナ中心の構成:運用負担を最小化

近年のクラウド活用は「ただクラウドを使う」ことが目的ではありません。
例えばサービスの新規開発のスピードを上げたい場合、構築・パッチ・容量計画・スケール対応などのサーバ運用前提を小さくして、プロダクトの価値提供にチームの時間を集中させることができます。

ここでの「サーバレス」は「サーバが無い」ことを指すのではなく、サーバ管理(OSパッチ、容量・スケールの手配、死活監視など)を開発チームが意識せずに済む形式を指します。
運用負担をクラウド側やマネージドサービス側に寄せることで、「サーバ運用」の関心事を減らして開発スピードを上げられます。

アプリとインフラを同じチームで扱うと何が変わる?

冒頭でご紹介した前回の記事の通り、私たち名古屋支社開発チームは “インフラとアプリを分けず、同じチームの中で扱う” スタイルで開発しています。

ここで得られる一番のメリットは、インフラの関心事が「別チームのブラックボックス」にならないことです。

  • 要求(非機能含む)の意思決定が、開発の文脈と同じ場所で実施されスケールアップなどがチームのタスクとして実施できる
  • 障害や性能課題の学びをすぐに適応でき、サービス満足度がアップする
  • 「運用のための作業」が開発バックログに正当に乗り、優先度が透明になる

結果として、インフラ対応が “割り込み” から “計画された改善” に変わりやすくなります。

それでもインフラの関心事はゼロにならない

誤解されやすいのですが、インフラの関心事はゼロになりません。
新たな関心事(可観測性、信頼性、コスト、セキュリティ)に集中できる状態が理想です。

関心事を減らす取り組みは、最終的に “新たな価値の創出” や “現状のさらなる改善” に使うことができる時間を増やす取り組みです!

まとめ

「インフラを頑張る」のではなく、「インフラで気にすることを減らす」観点で見直すと、チームの開発体験は大きく変わるかもしれません。

もし同じ悩み(インフラ対応で開発が止まりがち、など)を持っている方がいらっしゃいましたら、まずは “関心事の棚卸し” から始めてみるのはいかがでしょうか?

伊藤 綾夏

2026年05月11日 月曜日

名古屋支社開発チームのスクラムマスターとして日々奮闘中。よいサービス、よいプロダクトは楽しく元気なチームから生まれると思っています!関わる人すべてが笑顔になるために、私は何ができるのだろうか・・・。

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