改良したLoRaWAN®カメラをET&IoT 2021に出展します!

2021年11月15日 月曜日


【この記事を書いた人】
m-ohnishi

2016年にIIJにJoin。現在はLoRaWAN(R)とカメラを中心としたIoT企画を担当しています。農業IoTとカメラの融合でみんなを楽しく楽にすることを日々考えています。

「改良したLoRaWAN®カメラをET&IoT 2021に出展します!」のイメージ

IoTビジネス事業部のm-ohnishiです。
以前のブログ「LoRaWAN®で高解像度の画像は送れるか?」で高解像度の画像が送信できるLoRaWAN®カメラをご紹介しました。おかげさまでブログをご覧いただいた方から「テキストしか送れないと思っていたLoRaWAN®で画像が送れるんだ!?」といった反響があり、お問い合わせを多数いただきました。

百聞は一見にしかずで、展示会に出展してより多くの方にアピールしたかったのですが、コロナ禍で大規模な展示会にはなかなか出展することができませんでした。ようやく感染者数が落ち着いてきたので、ET&IoT 2021のLoRa Pavillion 2021にて実機を出展することになりました! (*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

その紹介だけだとブログネタとしては物足りないので、前回のブログ以降の改良点もご紹介したいと思います。

システムの改良点

これまで、LoRaWAN®カメラは実証実験目的の顧客に絞って販売してきました。その理由の一つがマルチテナント化されていなかったことにあります。図1に従来のシステム構成を示します。

図1 従来のLoRaWAN®カメラのシステム構成

カメラからの画像を受信してビューワーで表示できるようにするデコードサーバと呼んでいるサーバがあるのですが、マルチテナント化されていなかったため、顧客ごとに個別構築が必要でした。そのため、カメラやゲートウェイの機器代、通信に使用するSIMの通信料以外に、デコードサーバの構築費用や運用費用が必要でした。

カメラ自体が受注生産で安価とは言えないのに、さらに費用がかかると導入のハードルが高くなってしまいます。そこでLoRaWAN®センサー類が対応しているIIJ IoTサービスとデコードサーバの連携で対処することにしました。改良後のシステム構成を図2に示します。

図2 改良後のLoRaWAN®カメラのシステム構成

IIJ IoTサービスには画像を保存可能なデータストレージが用意され、データストレージ上の画像の再生に対応したVideo Viewerも用意されています。データストレージは顧客ごとに用意されるので、他の顧客から画像を見られることはありません。この改良によって一つのデコードサーバで複数の顧客に対応でき、初期費用と月額費用を大幅に削減できました。特にカメラ台数が少ない場合は削減効果が大きいです。

データストレージを使用することでデータの保存期限も設定できるようになりました。設定した保存期限を超えるデータは自動で削除されるので、ストレージ使用量を削減できます。新システムでは従来のBMP形式から容量の小さいwebp形式での画像保存にも対応し、かつデータストレージ自体の利用料も安価なので、更に月額費用を削減できました。

また、IIJ IoTサービスのデータストレージにはデータストレージAPIが用意されています。図2右下で示したように撮影画像を顧客側で作成した独自ビューワーから取得することも可能になりました。

カメラ本体の改良点

実際に導入していただいてわかった問題に対処するため、カメラ本体にも以下の改良を行いました。

  1. ソーラー給電版への高性能アンテナ標準搭載
  2. 外部LED搭載モデルの用意
  3. 画像切り出し位置のユーザによる変更に対応

1については、前回のブログ「LoRaWAN®で高解像度の画像は送れるか?」でオプション設定した高性能アンテナを、ソーラー給電版には標準搭載することにしました。これによって他のLoRaWAN®対応センサーと通信距離が近くなり、併用しやすくなると思います。

2については、従来は夜間撮影用のLEDはカメラ一体型のものを使用していましたが、大型の外部LEDを搭載することで従来よりも長い最大10m程度までの夜間撮影に対応しました。

3についてはLoRaWAN®カメラは単焦点レンズを使用しているため、カメラの設置場所が限られる場合は被写体を大きく捉えることができませんでした。図3のように撮影画像の中央以外も含めた部分切り出し画像の送信に対応することで、送信データサイズを抑えたままズームアップできるようになりました。

図3 画像切り出しによる被写体の拡大

まとめ

以上で述べた改良により、従来より導入しやすくなり、対応できるシーンも増えました。

そこで、これまでは実証実験目的のお客様に絞って販売してきたのを、一般のお客様にも拡大します!導入をご検討の方には実機のお貸し出しなども対応可能ですので、lpwa-info@iij.ad.jpまでお問い合わせください。

また、ET&IoT 2021には私も説明員として参加しますので、この機会に是非実機をご覧ください。皆様のご来場を心よりお待ちしております!

m-ohnishi

2021年11月15日 月曜日

2016年にIIJにJoin。現在はLoRaWAN(R)とカメラを中心としたIoT企画を担当しています。農業IoTとカメラの融合でみんなを楽しく楽にすることを日々考えています。

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