コロナ禍で新たなトラフィックパターンが発生!?~ブロードバンドトラフィックレポート(IIR vol.64 1章)

2024年09月25日 水曜日


【この記事を書いた人】
IIJ Engineers Blog編集部

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突然ですが、ここで「トラフィック・クイズ」です!

  • 第1問
    • この5年間のブロードバンドトラフィック量の増加について正しいのは次のうちどちらでしょう
      1. コロナ禍でリモートワークが普及してトラフィック量が大きく増え続けている
      2. トラフィック量は、全体的にはコロナ禍を通して低めの成長が続いている
  • 第2問
    • コロナ禍に大きな変化(トラフィックの増加)が見られ、コロナ禍以降も定着している新しいトラフィックパターンは次のうちどちらでしょう
      1. 平日昼間のアップロードトラフィック
      2. 休日夜間のダウンロードトラフィック

答えは以下につづく「本報告のポイント」、解説はIIR vol.64 第1章「ブロードバンドトラフィックレポート〜この5年間を振り返って〜」の本文をご覧ください。

2024年9月に発行したIIJの技術レポート「IIR vol.64」の第1章「ブロードバンドトラフィックレポート〜この5年間を振り返って〜」では、毎年IIJが運用しているブロードバンド接続サービスのトラフィックを分析して、その結果を報告しています。今回も、利用者の1日のトラフィック量やポート別使用量などを基に、この1年間のトラフィック傾向の変化を報告します。そして今回は、レポートの後半でコロナ禍を挟むこの5年間のトラフィックの変化を振り返ります。

本報告のポイント

  • トラフィック量は継続して増加傾向
    • この1年間で、ブロードバンドトラフィック量は、IN(アップロード)14%OUT(ダウンロード)12%増加、モバイルトラフィック量は、IN29%OUT20%増加しました。モバイルは、コロナ禍の最初の1年ほどは外出が減ったことで横ばいでしたが、その後は増加傾向が続いており、今回、OUT20201月比で2.1倍となり、コロナ後の伸びがブロードバンドに追いつきました。
  • 大きく偏る利用者間のトラフィック使用量
    • ブロードバンド、モバイルともに、全体のトラフィック使用量の大半が一部の利用者で占められています。ブロードバンド上位10%の利用者がOUT50%IN75%を占めています。モバイルでは上位10%の利用者がOUT48%IN45%を占めています。
  • コロナ禍で新たなトラフィックパターンが発生
    • コロナ禍当初は、ビデオ会議や動画視聴の急速に広まりにより、トラフィック量は大きく増え、インターネットのインフラを圧迫するような事態が危惧されましたが、長期的に見ると、毎年ほぼ均一的な推移で増加していて、増加率も決して大きくないことが分かりました。
      • IIJの固定ブロードバンドサービス全体の月ごとの平均トラフィック量は、20196月~20246月の5年間で、IN1.72倍、OUT2.01倍(年率換算で1.111.15)でした。
    • 一方、平日昼間のリモートワークや学校の長期休暇中の動画視聴と思われるトラフィックが年々増えるなど、コロナ禍を経て生活スタイルに変化が起こり定着したことも見えてきました。アップロードに関しては、コロナ禍以前と比較して明らかに平日昼間のトラフィックの割合が増えました。また、ダウンロードのピークが夕方から夜にかけてなのに対し、アップロードのピークは午後の早い時間に来ています。
        • 2019年から2024年の5年間で、利用者の1日のトラフィック量は、分布の山の頂点に当たる最頻出値でOUT2.0GBから5.6GB2.8倍に、IN89MBから224MB2.5倍に増加しています。

この5年間のブロードバンド及びモバイルの月間トラフィック量の推移

この5年間のブロードバンド利用者の1日のトラフィック量分布の推移

本レポートの全文はこちらからご覧いただけます。

Internet Infrastructure Review(IIR) vol.64(2024年9月発行)1章 定期観測レポート

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2024年09月25日 水曜日

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