IoT米、ことしも作りました!
2021年12月14日 火曜日
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【IIJ 2021 TECHアドベントカレンダー 12/14(火)の記事です】
今年も無事、稲作が終わりました。
IIJの農業IoTは5年前、静岡県のとある田んぼの水管理からはじまりました。現在、IIJの農業IoTは「水田センサー MITSUHA LP-01」として、日本全国の田んぼで利用されています。この5年間で、できることも増えました。水田センサーが取得したデータは、生育予測による冷害対策、田んぼの減水速度の測定による田んぼのクセや畦の漏水検知、いもち病等の病害予測などに利用されています。
今年のIoT米は3産地・2種類
さて、IIJでは昨年に引き続き、水田IoTに取り組む農家のお米を「IoT米」としてノベルティ化しました。2合タイプと1合タイプ、2種類を用意しました。1合タイプは沸騰したお湯で30分煮るだけで食べられるので、アウトドアや災害用備蓄に、ご活用いただけます。
※1合タイプは、「IIJ 2021 TECHアドベントカレンダー」の読者プレゼントキャンペーンの賞品にもなっています。
今年のお米は、北海道の白石農園の「ゆめぴりか」、岩手の西部開発農産の「ひとめぼれ」、静岡のAプランニングの「きぬむすめ」の3種類です。
3軒の農家がそれぞれ精魂こめて作ったお米を、お客さまやお取引先などにご賞味いただきます。せっかくの機会なので、3農家のみなさんに、水田センサーの活用状況や最近のトピックスなどをうかがってみました。
農家1:北海道 白石農園様
北海道は1枚の田んぼがおよそ1〜2ヘクタール、2.5ヘクタールの広さのほ場も中にはあります。
用水の水量が一定でないため、以前は1日に何度も水量を確認しに行っていました。
水田センサーと自動給水弁を導入したことで、広い田んぼを1日何度もまわって、繊細な水管理を行なう手間が大きく省けました。
また北海道と言えども、温暖化の影響で最近は夏の高温障害に注意が必要なのですが、これも水田センサーの「温度しきい値監視」により、アラートが飛んでくるのでありがたいですね。
私たちはトマトなど他の作物も栽培しており、水稲だけに時間を避けません。
水管理の省力化だけでなく、決まった時間に見回りにいかねばという精神的な負担も、センサー導入で減ったと感じています。
農家2:岩手県 西部開発農産様
私たちの稲耕作の面積は合計310haで、平野部から中山間地まで、さまざまな場所の田んぼを管理しています。地域の後継者不足により、引き受ける田んぼの数は年々増えています。
今後は1枚のほ場にさらにじっくり手をかけるために、水稲栽培の中で1番時間と労力のかかる田んぼの見回り作業を効率的にできるような仕組みづくりと省力化が重要だと考えています。
以前、外部に水管理を委託している田んぼに農薬散布をしようと現場に行ってみたら、水が抜けて作業ができないという事もありました。
こういうときに、委託している田んぼにも水田センサーがあるとなんと便利だろうかと、つくづく感じました。
農家3:静岡県 Aプランニング様
静岡県袋井市・磐田市は、早くから基盤整備による給水のパイプライン化が進められていた地域です。
水不足になると取水制限がかかり、地域で節水に取り組む必要があります。
水田センサーと自動給水弁を取り入れたことで、水の出しっぱなしを防止したり、畦の穴からの漏水に気がつくことが可能となりました。
後継者不足により、田んぼを地域の有力な農家が引き受けるケースが近年増えています。
飛び地の田んぼを引き受けた場合は、朝夕の水管理に時間がかかります。
こうしたケースでは、水田センサーの活用で水管理や見回りが省力化できることは本当に魅力的だと思っています。
まとめ
IIJの農業IoTは、日本の農業全体で見れば、ささやかな取り組みです。しかし、千里の道も一歩から。この記事やノベルティを通じて皆様にも「日本の農水産業の未来を、IoTがどう変えていけるのか」という大きな課題に、思いを馳せていただければ幸いです。
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