ローカル5Gに役立つ 第三級陸上特殊無線技士【エンジニアに役立つ資格】

はじめまして。

MVNO事業部に入社したての駆け出しエンジニア かねがえ と申します。

私がおすすめする「エンジニアに役立つ資格」は、「第三級陸上特殊無線技士」です。この資格を持った人がないと、ローカル5Gの基地局を開局できません。また、最近流行りのドローンでも使用する無線も、周波数帯や出力によっては免許が必要になります（※1）。
無線通信の根幹を支える基地局の開局に必須なので、私のように「基地局って町中にあるのは見るけど、触ったことない」という駆出しモバイルエンジニアにおすすめの資格です。

※1）「陸上特殊無線技士」補足
電波は目には見えませんが、人類が共有で利用する限りある貴重な資源なので、電波法に従い、能率的に使うよう電波法で定められています。資格を持った無線従事者を選任して、基地局の開局を総務省に申請する必要があります。第三級陸上特殊無線技士で扱える、ローカル5G、ドローン関連の無線は下記です。

下記の総務省HPを参照し、一部抜粋・省略し、上表を作成
(1) ローカル5G導入支援ガイドブック 2.0版
(2) 総務省 電波利用ホームページ｜その他｜ドローン等に用いられる無線設備について (soumu.go.jp)

資格取得のきっかけ

IIJは中途社員として入社しました。前職では、固定電話の研究開発をしており、電話の事であれば「ちょっとわかる」のですが、モバイル、特に無線に関しては全く知識がありませんでした。
そんな中、ローカル5G（※2）の制度を勉強していたところ、ローカル5Gに必要な資格があると知りチャレンジしてみました。

※2）「ローカル5G」補足
携帯電話事業者（NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル）が提供する、5Gと技術的には共通ですが、会社の事業所内などの限定したエリアに、専用の基地局を用いて、ローカル5Gに割り当てられた周波数を使う自営の5G無線通信です。

上図は(1) ローカル5G導入支援ガイドブック 2.0版 　P6より引用。

何に役立つ資格？

ローカル5Gの基地局を使う事業者は、事前に総務省（関東総合通信局等）に、使用する基地局の免許申請します。免許申請の手続きの中で、基地局の無線従事者を選任する必要があります。無線従事者は「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要です。
例えば、IIJの場合、千葉県白井市に「白井ワイヤレスキャンパス」という、モバイル技術：ローカル5G・最新WiFi・sXGP(自営4G)・LoRa(IoT向け低消費電力無線)。の実験施設があります。

• 参考動画：IIJ 白井ワイヤレスキャンパス紹介 – YouTube

白井のローカル5G基地局の免許申請の中で、免許を持った無線従事者が必要です。

資格受験と内容

講習を受ける方法と、試験を受ける方法の2種類ありますが、私は試験（Computer Based Testing)を受けてきました。試験会場は、全国にあり随時試験を受けられます。私の場合秋葉原にあるテストセンタで、PCで選択肢を回答する形で受験しました。おすすめ図書は、吉村和昭先生の「やさしく学ぶ　第三級　陸上特殊無線技士試験」です。

試験内容は、ローカル5Gに特化する内容はないのですが、無線の基礎知識と基礎法規が学べます。
・無線の基礎知識：電波・アンテナ・回路　等
・法規：電波の公平かつ能率的な利用　等

合格した後、類申請すると、免許証サイズで富士山のホログラムの入った免許が交付されます。
・申し込み～勉強～試験　１ヶ月程度
・合格～免許交付　１ヶ月程度

まとめ

モバイル駆け出しエンジニアにおすすめの「第三級陸上特殊無線技士」を紹介しました。モバイルの世界は奥が深く、SIM、OS、アプリ、端末、無線、基地局、コアと色々な技術の組み合わせで、どこから手を付けたらよいか私も悩みました。まずは、ローカル5G基地局開局に必須の「第三級陸上特殊無線技士」をきっかけにしてみてはいかがでしょうか。