“自走”する前に大切にしたい、相談・共有・見える化の話【新人エンジニアに役立ちそうなTips】
2026年05月26日 火曜日
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新入社員や配属時の挨拶で、よくこんな言葉を耳にします。
「いち早く皆様のお力になれるように……」
「一日も早く戦力となれるよう努めて……」
「早く自走できるように……」
どれも前向きで、素敵な言葉です。
新しい環境で頑張ろうとしている気持ちが伝わってきますし、私も身が引き締まります!
私も配属時の挨拶では、早く先輩みたいになりたい!と思いながら、話していました。
一方で、今、開発チームで新人や新しいチームメンバーと関わっていると、少しだけこう思うこともあります。
最初から “自走” を目指しすぎなくても大丈夫です。
もちろん、いつかプロフェッショナルとして自分で考え、判断し、仕事を進められるようになることも大切です。
でも、配属されたばかりの時期は、業務の前提も、システムの全体像も、チームの進め方も、まだ知らないことがたくさんあります。
その状態で、いきなり一人で走ろうとすると、かえって不安が大きくなってしまうかもしれません。
ですので、私が考える最初に大切にしてほしいことは次の3つです。
- 相談すること
- 共有すること
- 見える化すること
「ここがわかりません」
「ここまではやってみました」
「この理解で合っていますか?」
「少し詰まっているので、相談したいです」
こうした言葉を早めに出せることができるのは、無知や未熟だからではありません。
知らないことがあるのは当たり前のことです。
チームでは、最初から完璧な計画通りに進めることよりも、今わかっていること、困っていること、次に試したいことをこまめに共有しながら、チームで前に進むことを大切にしています。
今回は、新人エンジニアが “自走” する前に大切にしたい、相談・共有・見える化の考え方と、私たち名古屋支社開発チームが大切にしているチーム文化について紹介します。
自走の前に思い出してほしい3つのこと
早く役に立ちたいと思う気持ちは自然です。でも、最初から一人で判断して進める必要はありません。
新人が最初にすべきことは、一人で完璧に進めること、ではなく、助けを求めることができ、そしてその助けを周りが受け止められる状態をつくることです。
とはいえ、では何をしたらいいんだろう、となってしまうと思いますので、具体例も含めて冒頭でお伝えした3つのことを紹介してみます。
相談
相談とは、答えを求めることではありません。
仕事の中では答えが明確にあるものは実は少なく、無限にある選択肢からより良い道を見つけ出すようなものです。
スーパーマン、スーパーウーマンに見える先輩も分からないことはたくさんあります。
自分が今どこで止まっているのかを、相手と一緒に確認することでより良い道を見つけていきましょう!
例えばこんな問いかけはいかがでしょう?
- ○○について確認しています。△△まではできたのですが、□□の判断で迷っています。相談したいです。
- 私は○○に対してさっぱり知識がないので教えてほしいです / 参考などありますか / 一緒にやってほしいです
私は「全然わかんなくて……」とよく助けを求めています。
そして、いつか自分が得た知識や、得意領域で、次は誰かをアドバイスできるような良い循環を作ることができたら良いですね!
自分にとっての「当たり前に知っていること」は意外と「チームの誰も知らないこと」だったりします!
共有
共有とは、完成した結果だけを伝えることではありません。
途中経過や不安を話すことも、チームにとっては大切な情報です。
例えばこんな共有はいかがでしょう?
- 今日は○○を進めます。現時点では△△まで完了しました。次の段階の□□については初めてのことが多く時間がかかりそうなので、誰か一緒に見てほしいです
- 資料の目次だけ書いてみました。方向性の認識を合わせたいです
「とりあえずここまで」を短いスパンで少しずつ見せられれば、チーム全体であなたの状況を把握しやすくなります。
急ぎではない時はチャットで非同期に、急ぎの時は声をかけたり通話したりと、状況に応じて使い分ける。
そんな運用ができると、質問する人も質問を受ける人も、集中が途切れにくく、働きやすくなるかもしれません。
その仕組みにつながるのが、次の “見える化” です。
見える化
見える化とは、自分の頭の中だけにある状態を、チームや先輩が見える場所に出すことです。
チケット、バックログ、コメント、メモ、図など、形は何でも構いません。
- 調べたことをチケットにコメントしました
- 未確認事項はチェックリストにしています
- 相談したいことを先に書いておきました
見える場所に情報があると、チームメンバーや先輩が「このタスクがずっと動いてないな、困ってるのかな」と気づきやすくなったり、なによりも「何に困っているのか」が分かることは相談を受ける側もとても助かります。
新人さんにとっても毎回自分から質問に行くのは、関係性がまだできていないうちはドキドキしたり不安に思ったりすることもあるかと思います。
「気軽に聞いてね」と言われても緊張するのは当たり前のことです。
だからこそ “見える化” されているというのはお互いの状態を気軽に知ることに繋がり、チームとしての安心感につながります。
「困っています」と伝えることがチームへの貢献
困りごとを早く共有することは、チームの手を止めることではありません。
チームやプロジェクトを早く軌道修正するための、大切な情報提供です。
1人で抱え込んでしまうと、順調か困っているのか分からず、気づいた時には手遅れに……、なんてことがあるかもしれません。
早めに共有することで、どこが詰まってるのか分かり、助けたり、分担したり、方針そのものを変えることだってできるかもしれません。
大切なのは “ひとりで考えないこと” です。
名古屋支社開発チームが大切にしていること
名古屋支社開発チームでは新しく仲間になる人全員に大切にしていることをワークショップ形式でお伝えしてから、プロジェクトを立ちあげたり、既存のチームに参画してもらったりしています。
今回は心理的安全性、HRT、ユーザーストーリーを中心に簡単にお話しします。
これらは、ただ居心地の良い場所を作るためだけのものではありません。
安心して何でも許される、という意味でもありません。
私たちが大切にしたいのは、安心して挑戦し、学び、成長していけるチームであることです。
わからないことを言える。
違和感を共有できる。
失敗を隠さず、次に活かせる。
お互いに敬意を持って、より良い成果に向かって進める。
そうした土台があるからこそ、チームとして速く学び、変化に対応し、価値を届け続けられるのだと思っています。
心理的安全性
心理的安全性とは、簡単に言うと、安心して発言できる状態のことです。
「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と思える環境を作ることです。
冒頭でもお伝えした通り、知らないことがあるのは当たり前のことです。
チームは、その知らない領域を補って、助け合って、チームとしても個人としても成長していくことができます。
安心があるからこそ、挑戦もできて、失敗から学ぶこともできます。
HRT(ハート)
HRTは、Humility(謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)の頭文字です。
先輩は、新人を「まだ知らない人」としてではなく、「これから一緒に価値を届けていく仲間」として接します。
そして新人も、先輩を「正解を持っているすごい人」として見るのではなく、「一緒に考え、対話する相手」として話しかけます。
年次や経験の差だけで関係を見るのではなく、「お互いを支え合う仲間」として捉えてみる。
そう考えると、少し話しやすくなったりしませんか?
ユーザーストーリー
ここまでは、先輩と後輩、チームといった社内での関係性についてお話ししてきました。
では、お客様との対話はどうしているのか、と思う方もいるかもしれません。
そこで役立つ手法の一つが、「ユーザーストーリー」形式で記載し、顧客と対話することです。
ユーザーストーリー形式で書くことで、作業を単なるタスクとして捉えるのではなく 「誰の、どのような価値につながるのか」を意識しながら考えることができます。
アジャイルマニフェストには以下の言葉があります。
プロセスやツールよりも個人と対話を
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを
手順通りに進めることだけを目的にするのではなく、話しながら業務領域や課題を理解していくこと。
そして、完璧な資料を作り切ってから確認するのではなく、途中段階のメモや図、動くものを見ながらフィードバックをもらうこと。
そうすることで、「ここまで作ったのに、思っていたものと違った」となる前に、細かく軌道修正を重ねながら、より良いものに近づけていくことができます。
これは、相談・共有・見える化ともつながっています。
チーム内でも、お客様との関係でも、早めに見せて、話して、学んで、より良い一歩に繋げることができるとコミュニケーションが楽しくなってくるかもしれません。
チームとして一緒に働きたいから
ここまで読んでいただきありがとうございます。
私自身も知らないことばかりで、ときには新人エンジニアさんの方が詳しい、と思うこともたくさんあります。
だからこそ、新人エンジニアのみなさんには頑張りすぎず、完璧を求めすぎないでほしいと思います。
プロフェッショナルを目指す志はそのままに、
分からないことを隠さず、知らないことを新しい知識として取り込みながら、どんどん成長していってほしいと思います。
私も一緒に走れる状態をこれからも作っていきますので、ぜひ新人エンジニアのみなさんも一緒に走っていきましょう!

