開発者向けオンライン研修を管理・補助するツール「VisualBootcamp」

2020年12月16日 水曜日


【この記事を書いた人】
韮塚 凌平

2019年新卒入社。基盤エンジニアリング本部兼クラウド本部所属のKubernetes大好きエンジニア。自宅ラックマウントサーバ勢。休日はコスプレしたり、バイクに乗ったり、絵を描いたり、サーバメンテしたり、激渋旅館を巡ったりしてます。

「開発者向けオンライン研修を管理・補助するツール「VisualBootcamp」」のイメージ

IIJ 2020 TECHアドベントカレンダー 12/16(水)の記事です】

こんにちは、IIJの韮塚(にらづか)です。

私は名古屋支社の技術部に所属しており、普段は「インフラ中心のSI業務」と「社内GitHubやCI/CDツールの管理」をしています。

みなさん、社内講習会のオンライン化は進んでいますか?
コロナ渦の影響で講習や勉強会をオンラインで行うことが多いとは思います。
IIJでも「IIJ Bootcamp」という毎年行われる社内勉強会が今年はオンラインでの開催になりました。

IIJ Bootcampのオンライン化に伴い、多くの課題が上がりました。
本日のアドベントカレンダーではオンライン化の課題を解決すべく制作した勉強会補助ツール「VisualBootcamp」について紹介していきたいと思います。

IIJ Bootcampが抱えていた課題

IIJ Bootcampが抱えていた課題は主に3つあり、そのうち2つがオンライン化に伴う課題でした。

VisualBootcampではこれらの課題解決を第一目標にしました。

課題 昨年 今年
講師が受講者の進捗を把握しづらい 課題を出した時、教壇から受講者の様子が見て取れ、受講者の進捗に合わせて講義を進められた。 受講者の様子を目で見ることができないため、受講者がどの程度課題を完了したかわからない。
TA(Teaching Assistant)が受講者のフォローアップしづらい 講義ではTAは常に受講者の周りを巡回し、詰まっている人に声がけを行っていた。 上記と同じ理由で、詰まっている受講者が分からない。
また、途中参加する受講者に資料のURLを貼る手間が増えた。
質問をするハードルが高い 質問には説明力を要し、萎縮して質問できない受講者がいた。

VisualBootcampの機能

VisualBootcampは誰でもブラウザから簡単にアクセス出来るようにWebアプリケーションとして開発し、社内向けに公開しました。

VisualBootcampには主に「リアルタイム進捗確認機能」「チェックポイント機能」「講義情報の確認機能」の機能があり、これらの機能を組み合わせることでIIJ Bootcampの課題を解決しました。

以下では各機能の詳細について説明します。

リアルタイム進捗確認機能

リアルタイム進捗確認機能とは、講師とTA向けの機能で、全受講者の受講進捗を一つのページにまとめて提供する機能です。

講師はこの機能がある画面を講義中に開いておくだけで、全受講者の名前とその人の進捗が一目で確認できます。
受講者の進捗はPush通知で知ることができるため、講義進行のスピード感も知ることができます。
この機能により、講師は講義の進行管理を行いやすくなりました。

TAも同様にこの画面を開いておくだけで、サポートしなければいけない受講者がどの程度いるのか把握することができます。
さらに、受講者をクリックすると過去のBootcamp受講歴が表示されるため、より適切なサポートを行うことができます。

チェックポイント機能

チェックポイント機能とは、受講者向けの機能で、講義における重要な箇所を理解できているかテストする機能です。

受講者はこの機能がある画面を受講中に開いておき、クイズに答えるだけで、ゲーム感覚で自分の理解度を把握することができます。
また受講者がTAへ質問を行う際、躓いているチェックポイント名を伝えればTAがどこで躓いているのかわかるため、質問がしやすいです。

講義情報の確認機能

講義情報の確認機能とは、講義に関する簡単な概要や講義で使う資料、講義に参加するためのURLをまとめて提供する機能です。
また、IIJ Bootcampで開催される講義を一覧化し、予約していない講義へのキッカケを作る機能も備えています。

受講者は、講義毎に講義資料の場所を探す手間がなくなり、スムーズに講義へ参加することができます。

また、TAも途中入室者への案内をする時間を削減することができ、受講者のサポートに徹することができます。

 

VisualBootcampを導入した結果

VisualBootcampをIIJ Bootcampに導入したところ、講師や受講者ともに非常に好評でした。
具体的に以下のような感想をいただいたので記載します。

  • 講師
    • 受講者の理解度が把握できるため、講義の進行管理がしやすく、課題を解かせる時間を適切に調整できた。
    • チェックポイントを明示することで、講義構成を項目ごとに分割することができ、受講者に講義で何を伝えるべきか考えやすくなった。
  • TA
    • 受講者へのサポートがしやすく、最後まで課題を完遂できた人が去年よりも多かった。
  • 受講者
    • チェックポイントが出来ていれば、自分は講義についていけているという確認ができ、自信につながった。
    • クイズ感覚でチェックポイントをしていくので、進んでいくのが楽しい。

想像以上に多くのユーザから反響がありました。
感想から分かる通り、「IIJ Bootcampが抱える課題を解決」という目標は無事達成することが出来ました。
我々としても特に力を入れて作った「リアルタイム進捗確認機能」がユーザに認められて安心しました。

また、新たな課題もあがっており、今後はそれらの課題解決にも力を入れていく方針です。

おわりに

IIJ Bootcamp運営陣の思いつきにより発足したVisualBootcamp制作ですが、結果的にIIJ Bootcampの課題を解決することができてよかったと思います。
個人的にも自分の好きな技術を盛り込んで開発することができたため、充実した開発を行えたと思っています。

今後はIIJ Bootcampのみならず、社内で開催されるオンライン勉強会にも使ってもらえるように機能追加/改善を行っていきたいです。

おまけ:VisualBootcamp開発環境

VisualBootcampはOSS同様に誰でも開発に参加できることが特徴です。
構成について簡単に言うとWebアプリケーションをRuby on Railsで作り、アプリのデプロイはKubernetes上に行う構成です。

開発者は自分の環境にdockerさえ入っていればVisualBootcampの開発をすることができます。
また、完成したdocker imageを社内のdockerレポジトリにpushすることでKubernetesにデプロイされる仕組みとなっています。

これらの構成はすべて開発者各個人の趣味で決めました。
私はKubernetesが大好きなので、サービスデプロイにKubernetesを使う構成などを作りました。
おうちKubernetesの知識が役立ってよかったです!

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韮塚 凌平

2020年12月16日 水曜日

2019年新卒入社。基盤エンジニアリング本部兼クラウド本部所属のKubernetes大好きエンジニア。自宅ラックマウントサーバ勢。休日はコスプレしたり、バイクに乗ったり、絵を描いたり、サーバメンテしたり、激渋旅館を巡ったりしてます。

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