出展企業に聞いてみた『EdgeTech+2022』企業インタビュー
2023年03月16日 木曜日
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昨年11月に開催された事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展『EdgeTech+2022』。
今年も開催されると共に、2021年にフランスで開催された『LoRaWAN® World Expo』が2023年に日本で開催されることが予定されています。2023年はさらにLoRaWAN®の広まりに拍車がかかる年になりそうな予感がしますね。
今回の記事では『EdgeTech+2022』にて、出展企業として参加した企業数社様に対しインタビューをさせていただきました!
※EdgeTech+2022のイベントレポートはこちら!
インタビュー①:キーウィテクノロジー株式会社
西村江文氏
-キーウィテクノロジーが普段取り組まれている事業などをお聞かせいただけますか?
西村氏:弊社は台湾の会社で、キーウィジャパンではLoRaWAN®のセンサーとゲートウェイ、ネットワーク・サーバ、サービスを利用するためのアプリケーションの開発・販売を行っています。
今回の展示会ではCO2センサーと温度センサーを出展していますが、こうしたセンサーを使ったソリューションも日本で販売しています。
-今回のEdgeTech+2022では、どういった所をアピールして出展されていますか?
西村氏:お客様からは実際の現場で使われているものなのか?ということはよく聞かれますので、「実運用している」という部分はアピールしたいですね。
某大手スーパー様にも採用いただいている実績があり、そういった所で関心を持っていただけているのではないかと思います。
-EdgeTech+2022、開始初日(取材時は会期1日目)ですが、来場者の反応などいかがですか?
西村氏:やはり「こういうところで使われているんだ」と関心を持って下さるお客様が多いですね。
今回の展示会を通じて、手厚いサポートをしていただけるお客様、弊社の製品・ソリューションを実際に使いたいというお客様が見つかれば、と思っています。
インタビュー②:ナルテック株式会社
大石浩之氏
-ナルテックが普段取り組まれている事業などをお聞かせいただけますか?
大石氏:弊社はLoRaWAN®のデバイスの開発・販売をしております。メインでは屋外向けのデバイスの開発で、その中でIIJさんとも協業させていただいていますね。
また『防災』向けや鉄道などの『インフラ』向けといった部分は需要が多く弊社の注力領域になっていますし、最近では雨量や水位系のセンサーの需要も増えてきていると感じています。
-今回のEdgeTech+2022では、どういった所をアピールして展示されていますか?
大石氏:土壌センサーや雨量センサー、水位系のセンサーなど、屋外向けデバイスをメインに出展させていただいています。
-EdgeTech+2022、2日目(取材時は会期2日目)になり来場者も増えていますが、これからどういったお客様や企業にアプローチしていきたいですか?
大石氏: IIJさんのように上流工程の方に携わられている会社と関わっていきたいという所が1つ、また具体的に「こういったデバイスが欲しいんだけど」といったお話などいただけると嬉しいなと思っています。
インタビュー③:DIC株式会社
西英史氏
-DICが普段取り組まれている事業などをお聞かせいただけますか?
西氏:弊社は配線レスで簡単に付け外しが可能、外観的にも目立たないセンサーを開発していて、人の目に付く場所・本来センサーで測るべき場所をしっかりと図ることができる点を売りにしています。
センサー数も多く設置することができ、その点で受信距離をカバーできるLoRaWAN®がベストフィットしていますね。
-今回のEdgeTech+2022ではどういった所をアピールして展示されていますか?
西氏:従来から販売している温湿度・照度センサーに加え、9月から新たに販売したCO2・温湿度センサーをメインに出展しています。
空気環境を図る上で人のいる場所を図ることが大事なので、目立たないデザインのセンサーになっています。
-EdgeTech+2022も最終日(取材時は会期3日目)となりイベントも架橋かと思いますが、来場された方・これから来られる方にどのようにアプローチをした・していきたいですか?
西氏:今回はIoT系の展示会ということで、ベンダーの会社さんへのアプローチが多いですね。エンドユーザに近いお客様にも訴求したいところです。
また、弊社はこのセンサーを開発・販売する会社なので、基本的にIIJさんに繋げてご紹介するという話で進めていますね。
インタビュー④:株式会社アットマークテクノ
實吉智裕氏
-アットマークテクノが普段取り組まれている事業などをお聞かせいただけますか?
實吉氏:大きく2つあり、1つはCPUボードと呼ばれるボードコンピュータの開発です。20年ほど前に初めて発表して以来、Armadilloシリーズの製品開発が続いています。もう1つはそのCPUボードと同じ技術を応用したIoTゲートウェイの開発です。
-今回のEdgeTech+2022では、どういった所をアピールして出展されていますか?
實吉氏:2点あって、まずは目的に応じたゲートウェイのラインナップをご用意しているという点ですね。もう1点は今回出展している新製品のCPUボードです。
今回我々が開発したCPUボードでは、スマートフォンのアプリケーション開発環境も使えるようにしていて、今回の展示の目玉の1つになっています。
-EdgeTech+2022、開始初日(取材時は会期1日目)ですが、これからどういったお客様や企業にアプローチしていきたいですか?
實吉氏:IoTのシステムを作りたいという方の中には、漠然と「どう作ればいいか分からない…」と思っている方も多いと思います。様々な目的に応じたラインナップをご提案できますので、我々としては「ぜひ課題を持って来てください!」という感じでブースを構えております(笑)
インタビュー⑤:株式会社リコー
井出誠一氏
-リコーが普段取り組まれている事業などをお聞かせいただけますか?
井出氏:弊社はコピー機メーカーであるという所で、コピー機の技術を応用して太陽電池を開発しました。その太陽電池を使ったセンサーとして、Bluetoothの通信モジュールを使った環境センサーとCO2センサーをすでに販売開始しています。
今回のEdgeTech+2022ではどういった所をアピールして展示されていますか?
井出氏:先ほどお話したセンサーは、Bluetoothだと通信距離が短い・電波障害が起きてしまうなどの問題もあったため、長距離通信規格としてSEMTECHさんのLoRaWAN®を採用、試作した製品を今回出展しています。
ただLoRa®についてはまだ我々は入ったばかりで、実際にお客様に受け入れられるのかというマーケティングの部分は想定を立てつつも出来上がっていない状態ではあります。
LoRa®にはまだ参入したばかりというお話でしたが、今後の展望などはありますか?
井出氏:メイン事業である太陽電池を活かしたセンサーなどのデバイスラインナップを増やし、サービスを作り、パートナー企業様と手を組みながら全国のお客様にそのサービスを提供してきたいと思っています。
インタビュー⑥:エルスピーナヴェインズ株式会社
青谷浩二氏
-エルスピーナヴェインズが普段取り組まれている事業などをお聞かせいただけますか?
青谷氏:メインの領域はIoTとデータサイエンスになります。IoTについてはLoRaWAN®などのLPWAのデバイス開発・販売、データサイエンスについてはお客様からのご依頼に基づいたコンサルティング業務が主になっています。
-今回のEdgeTech+2022ではどういった所をアピールして展示されていますか?
青谷氏:ネットワーク・LoRaWAN®サーバをビルトインしているゲートウェイと、開発用途で使えるLoRaWAN®モジュールの新製品をご紹介しています。また開閉スイッチセンサーと振動センサーを両方搭載したLoRaWAN®デバイスも展示しています。
-EdgeTech+2022も最終日(取材時は会期3日目)となりお客様も多くいらっしゃったかと思いますが、どういったお客様へのアプローチをされましたか?
青谷氏:新規事業でIoT関連の情報収集をされている方、LoRaWAN®で開発する環境を探しているという同業者ですね。またLoRa®についての啓発活動を行い、決裁文書に載せていただけるようLoRa®に関する認知をより広げていきたいと考えています。
インタビュー⑦(主催社):セムテック・ジャパン合同会社
植松健太郎氏
-EdgeTech+2022(LoRa®パビリオン)のコンセプトをお聞かせいただけますか?
植松氏:LoRa®を知っている人も知らない人もお気軽に来場していただき、最新のLoRa®の状況を知っていただきたいというのが1つ。また、LoRa®のサプライチェーンに関わる多くのエコシステムパートナー様にご出展頂き、実際にLoRa®を使おうとご検討頂いているお客様に対して、エンドノードから上流のシステムまで、ワンストップでご紹介ができる場を提供させて頂きたいという点になります。
-会期3日間、イベントの雰囲気などいかがでしたか?
植松氏:初日は人が少なかったのですが、2日目からたくさんの来場者がいらっしゃって、非常に良いお話ができたと思います。また私は講演もさせていただいたのですが、社会課題に取り組む上でIoTの重要性を改めて再認識いただく機会になったのではないかと感じています。
-今回の展示会を通して、新たに分かった気付きなどありましたか?
植松氏:やはり日本固有の課題が分かったなと思います。例えば、少子高齢化、人手不足を抱える中小企業の工場にLoRa®などを活用したIoT技術による自動化でテコ入れを行いたい、というお客様など、課題解決に対するLoRa®への期待を感じました。
-展示会場全体を見てみると、海外企業の方も多く訪れているように感じました。やはり海外からも日本のマーケットは注目されていると感じますか?
植松氏:日本のマーケット全体もそうですし、日本固有の尖った技術を持った会社さんが多いという点も注目されていると思います。やはり日本の技術力は世界レベルで見ても高いですから、その技術と海外の技術を融合することで何かできないか?という海外の会社様も多かったです。
-LoRaWAN®を広めていく上で、EdgeTech主催企業としてのビジョンをお聞かせいただけますか?
植松氏:今年、昨年フランス・パリで開催されたLoRaWAN® World EXPOを日本で開催する予定です。そうすると海外のエコシステムパートナーも日本で出展する形になりますので、このEdgeTech+展も、今年(2022年)の倍ぐらいの規模感で開催できればなと考えています。
中長期では、「社会課題の解決のための通信方式の一つ」としてLoRa®はデファクト・スタンダードになってきていることを、日本の皆さまに認知していただき、LoRa®を活用した事業からその成果を、事例というかたちで、皆さまに発表できるような場を創出したいと思っています。
LoRa®の認知度を含め、海外諸国に比べて日本は5年ぐらい遅れてしまっている状況かと思いますが、これから社会課題の解決というレベルでキャッチアップしていけると私は信じています。