2025大阪テックシーカー イベントレポート(前編)

2025年08月27日 水曜日


【この記事を書いた人】
江幡 一久

メーカーでSW開発やプリセールスを経て、2025年中途入社。 モバイルサービス事業本部MVNO事業部所属し、法人向けモバイル案件支援をしています。 趣味はスポーツ(テニス、自転車、いろいろ観戦)、アウトドア、ドライブです。

「2025大阪テックシーカー イベントレポート(前編)」のイメージ

参加報告:2025 大阪テックシーカー
イベントテーマ:AIで魔法の道具を作ろう!

イベント概要

2025年7月26日~27日、公益財団法人 大阪産業局iRooBO(アイローボ)が主催の技術コミュニティイベント「テックシーカー」に、通信インフラ支援(技術スポンサー)として参加しました。
本イベントには、学生・一般のエンジニア志望者を中心に約90名が参加。17チームに分かれて、2日間のアイディエーションと試作に取り組みました。開発期間を経て、最終的な成果発表・展示会も予定されています。

イベント公式ページ:https://techseeker.jp
本記事内容はイベント公開情報に基づいています。

テックシーカーとは?

テックシーカーは、
「技術を通じて、未来社会を語り合い・つながり・探求する」
ことを目的としたコミュニティ型イベントです。

IoT、AI、電子工作、プログラミングなどを通じて、参加者同士が学び・深め合いながらモノづくりに挑戦し、社会課題の解決や新しい未来の創出を目指します。

今回の開催では、以下の2部構成となっていました。

  • ハッカソン:AI×電子工作をテーマにした“魔法の道具”づくり
  • コレクション(展示会):開発された作品を体験・交流できる展示イベント

IIJの立ち位置と参加目的

今回のイベントでは、多くの作品がネットワーク接続を前提とした構成となることが予想されていたため、主催側より「通信インフラを支援してほしい」とのお声がけをいただき、IIJとしては今回が初参加となる本イベントに、“つなげる”領域を支援する技術スポンサーとして加わりました。

会場では、複数のスポンサー企業がそれぞれの専門領域から技術支援を行っており、IIJは通信環境の構築・接続支援を主に担当しました。
イベント初日の会社紹介では、
「つなげる部分は、私たちがサポートします」
とお伝えし、参加者が自由にアイデアを実装できるよう、“通信の裏方”としてサポートしました。通信・IoT技術の面白さを、実体験として感じてもらえる機会になればと考えています。

提供内容としては

  • NordicnRF9160搭載のLTE通信ボード
  • SIMカード(LTE通信対応)

を貸与し、ネットワーク接続が必要なチームでの活用を支援しました。

NordicnRF9160搭載のLTE通信ボードについて

提供したのは、Nordic社のnRF9160 SiPを搭載したLTE通信対応ボードです。
セルラー通信(LTE-M / NB-IoT)やGPS機能を内蔵し、IoT開発に適した構成になっています。

できること(一例)

  • セルラー通信(LTE-M / NB-IoT)でデータ送信
    • Wi-Fiがない場所でも、センサーやデバイスからクラウドに直接データを送ることができます。
  • GPSで位置情報が取得できる(GNSS内蔵)
    • デバイスが「今どこにあるか」がわかります。移動体や資材のトラッキング、ジオフェンスの通知などにも使えます。
  • 低消費電力でバッテリー駆動に最適
    • 小さな電池でも長時間動作できるので、遠隔地に設置したセンサーやトラッカーにもぴったりです。
  • セキュリティ機能(Arm TrustZone)を内蔵
    • 通信やソフトウェアを守るための仕組みがチップレベルで備わっているので、安心して開発できます。

活用イメージ(一例)

  • 環境センサーからクラウドへ定期送信
  • 屋外に設置したデバイスの遠隔制御/監視
  • 移動体の位置情報+状態トラッキング
  • 通信バックアップ送信手段として

ハッカソンの流れ

Day1(2025年7月26日):チームビルディング&インプット

  • 参加者によるアイデア出し
  • 技術スポンサー企業によるサービス紹介
  • チーム編成(4〜5人)
  • チームごとの成果物構想
  • 製作予定のアイデア発表
  • エレショップ中継によるインスピレーションセッション

また、Day1では各スポンサー企業によるプレゼンテーションや交流の場も設けられ、IIJからもSIM・通信基板の紹介に加え、景品として提供するスマートフォン端末を紹介する場面では参加者たちからは歓声が起こり、会場が和むひとコマとなりました。

開封前のnRF9160搭載 LTE通信ボード

Day2(2025年7月27日):パーツ調達&中間発表

  • 部品買い出し
  • 成果物の中間プレゼン
  • プロトタイプの開発着手

 

開発期間(約1ヶ月間)

  • 各チームがオフライン/オンラインで継続的に開発

Day3(2025年8月23日):成果発表会&表彰式

  • 各チームの成果物発表
  • 技術性・発想力などの観点で審査・表彰を実施
  • IIJからも特別賞としてスマートフォンを提供予定

Day4・Day5(2025年10月25日~26日):コレクション(展示会)

  • 一般向け展示イベントとして、開発された作品をPR・体験展示

会場の様子

当日は、会場のあちこちで真剣なアイデア出しや開発作業が進められており、学生・一般参加者のエネルギーと創造力が満ちた空間となっていました。

特に、通信機能を活用したプロトタイプ開発においては、IIJが提供した nRF9160ボードとSIMカード が早速使われ、大半のチームが借用するほどの活用率となりました。

当日は多くの参加者が積極的に質問に訪れ、中にはイベント初日ですでにLTE接続まで完了しているチームも複数確認できました。

また、一部のチームでは、自前のツールチェーンや手持ちの開発環境に合わせて、提供したSIMを柔軟に活用するアプローチも見られました。既存のハードウェアを活かしながら、通信機能の検証に積極的に取り組む姿勢が印象的で、現場の応用力と柔軟さを感じさせるシーンでした。

今後に向けて

今回取り上げたハッカソンは、2025年7月26日~27日に実施された、開発フェーズのスタートイベントです。
ここで生まれたアイデアや試作は、8月23日開催の成果発表&表彰会、そして10月25日~26日開催の展示会「コレクション」へとつながっていきます。

これらの場では、実際に動く“魔法の道具”たちが披露される予定です。
展示会は一般来場も可能とのことなので、興味のある方はぜひ会場に足を運んでみてください。

また、今回のハッカソンを通じて得られた現場での気づきや、通信を活用した開発の知見については、後日あらためて技術ブログで詳しくご紹介する予定です。

 以上、イベント参加レポートでした!

江幡 一久

2025年08月27日 水曜日

メーカーでSW開発やプリセールスを経て、2025年中途入社。 モバイルサービス事業本部MVNO事業部所属し、法人向けモバイル案件支援をしています。 趣味はスポーツ(テニス、自転車、いろいろ観戦)、アウトドア、ドライブです。

Related
関連記事