サービスインテグレーションって何だ?(IIJ.news)
2024年06月24日 月曜日
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インターネット関連の最新動向や技術情報をお届けする広報誌「IIJ.news」。6月発行号(Vol.182)の特集は「IIJのサービスインテグレーション」です。
「システムインテグレーション(SI)」は一般的なIT業界用語です。大企業や官公庁から、システム開発と関連業務を一括して受託する事業のことです。(イメージは薄いかもしれませんが)IIJはSI事業も手掛けており、売上の中で大きな割合を占めています。
いわゆるシステムインテグレーションと「サービスインテグレーション」の違いは何なのでしょう。解き明かしていきましょう。
「サービスインテグレーション(SI)」とは何か?
北村 公一/IIJ 取締役 専務執行役員 ビジネスユニット長
現場発の創意工夫や改善活動に支えられ、かつて日本製品は高機能・高品質・低価格で圧倒的な国際競争力を誇っていました。結果、生産や業務を支えるシステムには会社ごとに固有の要件が発生し、それを実現するために「SI(システムインテグレーション)」が定着しました。SIはウォーターフォール型で、要件を100%満たすシステムを堅牢に作り上げます。
ところが2000年以降、米国発のグローバル化、SaaSの普及などで、従来型のSI(システムインテグレーション)のプレゼンスは低くなっていきます。しかし単純な業務改善を越えたDXでは、顧客内での内製とSaaSだけではなく、IT事業者の技術力や経験値が必要なのが実情です。そこで有効なのがIIJの「SI(サービスインテグレーション)」です。IIJは自社でDXを進めるために有効なITサービスを開発しています。そして利便性とセキュリティのバランスを取りながら、IIJはサービスをパーツとして活用したSIで顧客の目的を達成します。
記事:https://www.iij.ad.jp/news/iijnews/vol_182/detail_02.html
三つの領域で展開していくIIJのSI事業
中 嘉一郎(IIJ プロフェッショナルサービス第一本部長)
IIJはサービスプロバイダ事業者とSI事業を、一つの事業体の中で併せ持つ稀な事業者です。標準化したサービスをより多くのお客さま・市場で使っていただくため、個別の追加要件やカスタマイズ、提供形態の変更などに応じる「サービスインテグレーション事業」を提供しています。
IIJがSI事業を展開する領域は ①多様な働き方を実現するためのIT環境(デジタルワークプレース)② 企業のデジタルシフトに貢献する、事業環境のインテグレ―ション ③システム全体の策定やビジネス競争力の強化を目指すコンサルティング・アウトソーシング の、3つの領域です。日本の希少なIT人材を最大限有効活用するため、3つの領域をお客さまの事業環境やニーズに合わせて組み合わせ、事業展開してまいります。
記事:https://www.iij.ad.jp/news/iijnews/vol_182/detail_03.html
IIJのSI事業の変遷と展望
沖田 誠司(IIJ 常務執行役員)
筆者は2000年に、オンライン証券の案件でSI事業に弾みがついたIIJテクノロジー(2010年にIIJに統合された子会社)に入社しました。当時、IIJテクノロジーはクラウドサービスの前身と言えるiBPSの提供を開始したところでした。ICT環境をサービス化することの合理性を認識しつつ、既存のサービスを組み合わせて目的を達成するSI(サービスインテグレーション)を志向していました。
昨年度の売上は、2000年代の約3倍になりました。SIという売上科目のなかだけではなく、最大の売上科目であるネットワークサービスにもSI活動を伴うものは多々あります。ここ数年はIIJの強みであるネットワークやセキュリティを生かして、お客さま個別の要件に敵った提案を行う大型案件が増えてきています。これからも、人を増やし、対応できる範囲を広げながら、社会全体のステージアップに寄与していきたいと考えています。
記事:https://www.iij.ad.jp/news/iijnews/vol_182/detail_05.html
この他にも
・理想のITパートナーを目指して IIJならではのインテグレーション事例
・DX推進の新たなプラットフォーム DXP(DX Platform)
・生成AIの導入と活用方法
も併せてお読みいただくと「サービスインテグレーション」について、より具体的なイメージが湧くことでしょう。
まとめ
ITサービスをインテグレーションして提供することに対するIIJの熱い想いを、これでもか!と紙面にぶつけた特集になりました。ネットワークの会社、ISPとしてのイメージが強いIIJですが、本特集がIIJの意外な一面を伝える一助になれば幸いです。