Starlinkの航空機利用が日本でも可能になったのでいろいろ調べました
2026年04月07日 火曜日
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ZIPAIRという日本の航空会社でStarlinkが使えるようになりました。
機内で使っている様子をXに投稿している記事も見かけました。富士山を眼下にStarlinkが使えているようです。
『ZIPAIR』、アジア初 高速インターネット「Starlink」を搭載
日本ではこれまで「航空機」で使うことができませんでしたのでこの制限が解除され、航空での移動利用が可能になったようです。
成田からオーランドに向かう便で使ったIIJの人の話だと、一旦繋がってしまえば安定して数十Mbps出ており、これまでの機内Wi-Fiとは比べ物にならない快適さで感動したそうです(個人の感想です)。
Starlinkの移動利用が制限されている理由
新規参入者であるStarlinkは同じ周波数帯を使う既存の利用者に電波干渉などを起こさないようにする必要があります。例えばBS/CS放送の電波と干渉しないように、赤道方向(日本では南方向)にある静止衛星に向けて電波を出さないようにコントロールされています。
Starlinkを固定して利用する場合、自分がどの方向を向いているかわかるので電波の方向や角度を制御することができます。一方、移動しながらの利用ではアンテナの変化に追従するように制御していく必要があります。制御は静止衛星方向だけでなく地上方向にも必要で、Starlinkが本当に問題を起こさないかどうか検証していく必要がありました。
制限緩和の歴史
日本に限定して話を整理します。
| 端末の免許 | 地上利用 | 海上利用 | 上空利用 | ||
| 地上 | 海上 | ||||
| 2022年10月 | 固定地球局 | OK(固定) | NG | NG | NG |
| 2023年7月 | 携帯移動地球局 | OK(固定) | OK(領海内) | NG | NG |
| 2024年2月 | 携帯移動地球局 | OK(固定) | OK | NG | NG |
| 2026年3月 | 携帯移動地球局 | OK(固定) | OK | OK(高度制限) | OK |
日本では2022年10月11日からサービスを開始しましたが、この時の端末免許は「固定地球局」でした。地上での固定利用のみが許可され他の場所では使えません。
2023年の7月3日に免許が「携帯移動基地局」に変更されていますが、「日本国籍の船にStarlinkをつけた場合、領海内は利用できる」という形に緩和されます。
領海内利用の制限が解除されたのは2024年の2月9日からとなり、海上利用には制限がなくなります。このタイミングで電波法関係審査基準が改定され、これまで日本の領海や領空に制限されていた携帯移動地球局から領海や領空の制限文言が削除されています(令和6年総務省訓令第2号)。一方で国外利用に関して他国への干渉対策を実施する事項も追加されているので言葉は違うけれど制限を残しています。
そして2026年3月に実施された「情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 電波上空利用作業班(第6回)」の中で国外利用の検証が進み、航空機での利用が緩和されたのです。
今も制限があります
今回の制限解除で「日本中で移動利用がOKになったとか?」と思ったのですが、どうやら完全解放ではないようです。
まず地上での上空利用では高度制限があり高度3000メートル以上での利用となっています。3000メートル以下ではStarlinkの電源を切って電波を出さないといった運用が必要になります。
海上での利用は制限がないですが、「地上方向には電波を出さないように」という但し書きがついた状態だそうです。

電波上空作業班での検討は継続中で、いつかこうなる日がくるのでは?と期待しています。
| 端末の免許 | 地上利用 | 海上利用 | 上空利用 | ||
| 地上 | 海上 | ||||
| 20XX年 | 携帯移動地球局 | OK | OK | OK | OK |
