Starlinkを花火大会の生中継で活用 〜観客席映像をSRT伝送で検証してみた〜
2026年09月10日 木曜日
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Starlinkが日本に登場したのは2022年10月です。登場からそろそろ4年が経過し、様々な場面で活用されてきています。
今回、宮崎ケーブルテレビ株式会社(以下、MCN)さんから花火大会のテレビ中継に使う映像の伝送にStarlinkを使いたいという相談があり、協力する事にしました。
第78回 みやざき納涼花火大会について
2026年8月1日に実施されたこのイベントでは13万5000人が来場し、ドローンショーや1万1000発の花火が打ち上げられました。
MCNさんは毎年、自主放送で生中継しているほか編集して録画放送を行っています。昨年度から宮崎市の公式YouTubeチャンネルでの生配信も提供しています。
Starlinkはどこに使われたのか?
今回Starlinkは、観客席の映像を宮崎ケーブルテレビ本社に伝送する手段として使っています。
観客席は中継車から遠い所にあり、MCNのダークファイバーに繋ぐ事ができません。
このようなケースでは、複数の携帯キャリア回線を束ねて通信回線を構成し、映像伝送に利用する方法が一般的でした。
しかし沢山の人が参加しているイベント会場では携帯キャリアは不安定になる恐れがあります。他にも出先のスタッフとの連絡手段にインカムを使うのですが、これも通信が不安定だと連絡が取れなくなり、指示や大会進行の把握ができなくなる恐れがありました。
今回は、映像伝送やインカム通信にStarlinkが使えるかを検証する事になります。
もしうまくいかなかったら、観客席からの映像はなく、中継車付近だけになっていたのかもしれません(笑)。
Starlinkの実力を検証
Starlinkの通信速度ですが、リハーサル時の計測では下り140Mbps/上り24Mbps という結果になりました。
花火打ち上げ直前~終了後まで「ドコモ」、「楽天」、「Starlink」についてping試験を行った結果は以下のようになりました。
| 19:20 | 20:00 | 20:15 | 20:30 | 20:45 | 21:00 | |
| ドコモ | NG | NG | NG | NG | NG | NG |
| 楽天 | 120.5 | NG | NG | NG | NG | 555.8 |
| Starlink | 49.8 | 50.4 | 43.2 | 47.7 | 44.9 | 44.4 |
Starlinkは測定期間を通じて比較的安定した応答時間を維持していました。
連絡線用回線 として
- インカムは音声のみの通信のため所要通信量が上下約30Kbpsと少なく、映像伝送用のStarlinkと共用しても影響はありませんでした。
- StarlinkのWi-Fiが届く範囲であれば、特にトラブルなく安定して利用できていました。
映像のワイヤレス IP 伝送回線 として
映像伝送にはSRTを使っています。
- フォーマットは1920×1080 60fps、ビットレートは20Mbps で伝送しています。
- カメラ側を「SRT Caller」、スイッチャー側(ライブ映像制作プラットフォーム)を「SRT Listener」として設定。
- カメラ側/スイッチャー側それぞれに、バッファとして250msずつの遅延を挿入。
- 本来はもう少しビットレートを落とすはずだったが、設定ミスにより20Mbpsと意図せず高めのレートとなっていました。
映像はおおむね安定して伝送でき、本番を通して約3~4割ほどのカットでStarlinkからのカメラ映像を利用する事ができました。
- 映像が多少乱れる場面は少しあったがすぐに持ち直し、完全に途切れることはなかった。
- 遅延は約0.5秒程度であり、スイッチングで他のカメラと混ぜても違和感は無かった。
- 映像品質もテレビ放送に耐えうる画質だった。
- 観客と同じ目線から撮影することができ、演出の幅が広がった。
- 通信量は 2.5時間ほど伝送して約26GBほど消費した。
最後に提供していただいた写真をいくつか載せたいと思います。





