Starlink と Starlink Business 賢い買い方、使い方 2024
2024年06月19日 水曜日
CONTENTS
JANOG54 Meeting in NARA において「Starlink2024夏」と題してBoFをします。
https://www.janog.gr.jp/meeting/janog54/bof/
7/5(金)の14:00から会議室206でやります。
みなさんと交流できたらと思いますのでよろしくお願いします。
Starlinkが日本に登場して1年半が経ちました。歴史的にも初めてのサービスですから内容は常に変化しています。以前に「Starlink(スターリンク)の契約を深掘り、パブリックIPアドレスも調査しました」で紹介していますが、今みると情報を正確に伝えようと頑張すぎて分かりずらいと思いました(笑)。
今回はStarlinkとStarlink Businessの違いが理解が進むようにシンプルに説明できればと思っています。
※正規代理店から購入できるStarlink Businessはまた違うのでいつか機会があれば説明したいとおもいます。
Starlinkのサービスプランは4種類
Starlinkが提供するのは双方向衛星インターネットサービスであり、4種類のプランがあります。
- スタンダードサービスプラン(標準)
- モバイルサービスプラン(モバイル)
- プライオリティサービスプラン(優先)
- モバイルプライオリティサービスプラン(モバイル優先)
レジデンシャルとかROAMといった名称はサービス利用の目的別にプランを色分けしていると考えればしっくりきます。
Starlink Businessのサービスプランは2種類
Starlink Businessではプランが2種類に絞られます(航空機向けは割愛)。
- プライオリティサービスプラン(優先)
- モバイルプライオリティサービスプラン(モバイル優先)
色々名称ついていますが、プランは2種類です。
優先プラン、モバイル優先プランの特徴
- 優先データの割り当て
- パプリックIPがつかえる
- 優先サポートが適用される
- チャート機能
優先データはネットワーク上で「標準」データ及び「モバイル」データよりも優先されるため、ダウンロード及びアップロード速度がさらに高速かつ安定したものになります。パブリックIPはCGNAT配下ではなく直接インターネット側からアクセスできるIPアドレスが使えるようになります。優先サポートは問い合わせに優先的に対応してくれます。チャートは管理ページで「通信速のスループット」「遅延時間」「PINGドロップ率」「信号品質」「障害物」とった情報を15分〜1ヶ月の時間軸で変動を見ることができます。
StarlinkとStarlink Businessの違い
- 請求書の宛先
- ダッシュボード機能
Starlinkでは請求書の宛先は個人名になります。Starlink Businessでは請求書に法人名の宛先を追加する事ができます。
ダッシュボード機能は複数の回線契約を俯瞰して見ることができる画面になります。ある程度の回線数が並ぶと見栄えが良さそうです。
両者の違いを表にまとめるとこんな感じになります。
Starlink | Starlink Business | |
請求書の宛先 | 個人 | 個人+法人(任意) |
契約できるサービスプラン | 標準 モバイル 優先 モバイル優先 |
優先 モバイル優先 |
優先サポート | 優先とモバイル優先プランで提供 | |
パブリックIP機能 チャート機能 |
優先とモバイル優先プランで提供 | |
ダッシュボード機能 | なし | 搭載 |
賢い買い方、使い方
Starlinkにするか?Starlink Businessにするか?
- 請求書の宛先に法人名を書いて欲しいかどうか?
- ダッシュボードを使いたいかどうか?
- 使いたいプランがあるか?
というのが判断のポイントになるとおもいます。
プラン選択ではStarlinkの方が自由度が高いですが、請求書の宛先は法人でないとダメならStarlink Businessが選択肢という事になります。パブリックIP機能とか優先サポートなどはプランを選べばどちらでも利用できます。
サービスプランの選択と料金
- 固定、計画的な移動先利用なら「標準」「優先」(移動先を都度登録)
- 頻繁に移動してつかうなら「モバイル」「モバイル優先」(日本では陸上を移動しながらは使ってはいけない)
- 海上で使うなら「モバイル優先」(海上は移動しながら使ってもよい)
料金は標準がもっとも安く、モバイル優先がもっとも高くなります。
サービスプランは途中で切り替える事ができます
Starlinkで提供される4つのプランは相互に切り替える事ができ、しばらく優先プランで利用してから標準プランに戻すといった事ができます。費用については顧客が不利にならないように調整されます。Starlink Businessでも同様に2つのプランを相互に切り替える事ができます。プランを適材適所で切り替える事でコスト削減や機能追加などができますね。
優先データのOFF/ON機能は注意が必要
優先データをOFF/ONするスイッチがついています。海上での利用中に優先データを使い切ってしまうと通信できなくなりますが、これをONにしておくと回避できます。便利な機能ですが、使った分は次の請求の時に追加で支払う事になります。優先は1GBあたり56円、モバイル優先だと1GBあたり268円!!かかるので注意が必要です。優先データを使い切っても標準・モバイル相当のプランとして使えますので海上以外は大丈夫です(間違った説明をしていたので内容を更新しています、申し訳ありません)。
アンテナの種類と使えるプランの組み合わせに制限はありません
日本でつかえるアンテナは現在3種類(標準、高性能、平面高性能)ですが、どのアンテナでも4つのプランと組み合わせて使えます。標準アンテナをつかって優先プランを使ったりできるのです(その逆もあり)。
一方で海上とか移動しながらの利用に関して技適が取得され、船や車にしっかり固定できるのは平面高性能のみです。アンテナと利用形態の組み合わせによってはサポートなどが適用外になるので注意が必要です。
アンテナは譲渡できます
アンテナの所有権は契約者にあり、ある程度の期間使ったものなら譲渡して別の契約者が使うことができます。Starlinkアンテナは全てのプランと組み合わせて使えることと合わせて知っていた方がお得かとおもいます。
ただ譲渡する方とされる方の双方が仕組みや手続きを正しく理解して作業しないと使えるようにならないので注意が必要です。
請求書に書かれた住所が変だったら?
請求書にかかれる住所は登録方法によって英語表記になったり変化したりしてしまいます。そんな時はサポートに依頼すると指定した住所などの情報を固定できます。
ユーザ管理機能の活用
StarlinkやStarlink Businessに登録しているアカウントは通常1種類ですが、メールアドレスを追加して別の役割を与える事ができます。例えば技術系のユーザを別のメールアドレスで登録して、その人がログインして状態を確認したりサポートに問い合わせるようにしたりできます。