2025年もIIJ IoT米を作りました

2025年12月02日 火曜日


【この記事を書いた人】
hanamako

2018年より農業IoTに関わる。それまではネットワークエンジニアとして、MSのExpress Rourte や Googleの GCP接続、IIJサービスのSIに従事。自宅でいろんな作物の栽培にチャレンジ中。

「2025年もIIJ IoT米を作りました」のイメージ

IIJ 2025 TECHアドベントカレンダー 12/2の記事です】

はじめに

今年も「IIJ IoT米」をノベルティとしてご提供できる運びとなりました。お米を取り巻く環境は大きく変化しつつあり、これまで厳しい環境であった生産者にとって良い方向にむかっていけばとおもっています。

IIJが提供している「スマート農業システム IIJ MITSUHA」はセンサーから通信インフラ、クラウド、アプリまでを一気通貫で開発を手掛けており、「IIJ IoT米」は水田向けの「水田センサー MITSUHA LP-01」を利用して育てたお米です。

2020年から始めたIIJ IoT米のノベルティは毎年好評で、IIJのスマート農業の取り組みを知ってもらうきっかけにもなっています。2025年のIIJのスマート農業における広がりとあわせて、IIJ IoT米を紹介をさせていただきます。

今年のIoT米

今年のIoT米は、静岡県袋井市・岩手県北上市・千葉県白井市の農家さんに協力いただきました。全国的に高温と水不足に悩まされましたが、無事に実った3種類のIoT米の美味しさはどれも農家さんのお墨付きです!

生産者 産地 品種 特徴
Aプランニング 静岡県
袋井市
にこまる つややかで粒が大きく、粘りが強くてもちもちとした食感
西部開発農産 岩手県
北上市
ひとめぼれ 粘り・つや・うま味・香りのバランスが良い、オールラウンダー
白井市
実証圃場
千葉県
白井市
こしひかり 粘りが良く、つやつやしたほんのり甘みのある食感

千葉県白井市のお米は私たちIIJ社員が農家さんといっしょに田植え、水管理、稲刈り(獣害対策も!)まで一年間お世話して育てたものです。単なる米作りにとどまらず、IIJが培ってきたIoT技術を駆使したスマート農業や新しい節水型農業の実証フィールドとしての取り組みの成果でもあります。

2025年の千葉県白井市での実証の取り組みはこちらのIIJエンジニアブログを参照してください。

2025年におけるIIJのスマート農業の広がり

「スマート農業」という言葉がまだ浸透していなかった2017年からIIJのスマート農業の取り組みが始まり、2025年において全国で92地区のスマート農業の推進支援をしています。

水田の水位・水温を測定する「水田センサー MITSUHA LP-01 」をはじめ、露地栽培やハウス栽培で利用する環境モニタリング・土壌・気象・水利施設監視・わなセンサーなどのIoTデバイスを駆使し、地域の課題解決のお手伝いをしています。これまで農業関連の現場で培ってきた屋外IoT技術やデータ解析等について日々、現場での実装検証を重ねて、経験や勘だけでなく、データに基づいた「現場で使えるスマート農業」として着実に進化しています。

「食料・農業・農村基本法」が四半世紀ぶりに昨年の2024年5月に改定され、食料システムの安定がポイントになっています。農業人口が減っていく中で、IIJとしては農作業の省力化・効率化、鳥獣被害の低減、異常気象に対応できるようなデータ駆動型農業の拡大で食料システムの安定に貢献していくことを考えています。

近年では農業における様々な数字の見える化だけではなく、データ分析の重要性を認識する農家さんたちが増えてきています。たとえば、露地栽培において潅水をしたときの土壌水分、土壌EC値(電気伝導度で肥料の効き具合を測る目安)と天気との関係からどのように水や肥料をやればいいか?といった行動変容につなげてもらうために、IIJではデータによる生育診断や植物生理学的な観点からデータを読み解くためのワークショップを通じて伴走支援をしています。とはいえ、センサーやシステムの不具合が発生したりと、スマート農業全体でみてもまだ発展の余地があり、完成されたシステムではないですが、クセを理解してうまく活用することで農作業の負荷を減らすことができます。

2025年にプレスリリース等をおこなったIIJでの取り組みについて、一部になりますがご紹介します。

総務省事業の「地域社会DX推進パッケージ事業」採択、宮崎県延岡市、静岡県袋井市で実証プロジェクト

宮崎県延岡市

【プレスリリース:農業ロボットや無線、AI等先端技術を活用した省力化稲作支援サービスの実証プロジェクトを開始(2025年7月23日)】

農水省の事業とは別に、総務省事業を活用して通信インフラの整備とスマート農業での生産性向上を目指し、農業ロボットやAI、新しい通信規格でのスマート農業への活用の実証実験をおこなっています。

静岡県袋井市

【総務省発表資料:農のあるまち袋井「2961スマート農業プロジェクト」(2025年7月2日)】

IIJがスマート農業を開始した静岡県袋井市で、総務省事業と組み合わせて生産性向上の実現を目指して、メロン、葉物野菜、お茶、水田の新しい通信規格の実証実験をおこなっています。

 

トライアングルエヒメで中晩柑、サトイモの土壌水分の可視化と潅水の最適化

【プレスリリース:IIJ、愛媛県で中晩柑・サトイモの収量向上を目指しスマート農業実装を開始(2025年7月11日)】

2023年度より参画している愛媛県の地域課題解決プロジェクト「愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト(トライアングルエヒメ)」に、3年連続で採択をされました。昨年度の温州みかん・サトイモ・アボカドの品質・収量向上を目指すプロジェクトに続き、今年度は中晩柑、サトイモを対象とした土壌水分の可視化及び潅水の最適化による品質・収量の安定化に向けたスマート農業の実装を行っています。「HAPP(ハップ)」という若手農家の集団のミーティングでは毎回熱い議論が交わされています。「HAPP(ハップ)」のくわしい取り組みはIIJエンジニアブログの「土の中のデータを読む ~ IIJのIoTが支える柑橘農業の新しい形」をご覧ください。

 

IIJとソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社の合弁会社設立

【プレスリリース:IIJとソニー、スマート農業を推進する合弁会社の設立に合意(2025年11月7日)】

スマート農業向けに新しい方式の土壌水分センサーや灌水ナビゲーションサービスを提供をおこないます。これまでの現場の経験を活かして、使いやすいセンサーの提供を目指しています。

さいごに

2025年もスマート農業を通じて、多くの方々とご縁がありました。日々新しいことにチャレンジする中での苦労もありますが、社会課題の解決に少しでも寄与できていればと思っています。

また、IoT米のノベルティを通じて、農業が抱える課題について考えていただけるきっかけにしていただけるとありがたいです。

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hanamako

2025年12月02日 火曜日

2018年より農業IoTに関わる。それまではネットワークエンジニアとして、MSのExpress Rourte や Googleの GCP接続、IIJサービスのSIに従事。自宅でいろんな作物の栽培にチャレンジ中。

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